
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
23日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇し、S&P500指数とナスダック総合指数は過去最高値を更新しました。引け後に電気自動車大手のテスラや、検索大手グーグルの親会社であるアルファベットなどの2025年4-6月期決算発表を控えていましたが、前日の日米関税交渉の合意を受けて相互関税を巡る不確実性が後退し、買いが優勢な展開となりました。さらに、昼ごろに英紙FT(フィナンシャル・タイムズ) が「米国とEU(欧州連合)の関税交渉が詰めの段階に入った」と伝えると、8月1日の合意期限に向けて他国との交渉も進展するとの期待が高まり、一段高となりました。
相場の注目点
トランプ大統領は日本時間の23日、日本と貿易協定で合意したことを明らかにしました。日本に対する関税率は、7月上旬に発表された25%から15%へ引き下げられる模様です。参院選直後の早期合意はサプライズであり、関税率が引き下げられたことなども好感され、23日の日経平均は前日比+3.5%の大幅高となり、年初来高値を更新しました。
関税交渉が一段落したことで、投資家の関心は国内の政局や企業業績に向かいそうです。昨日、石破首相が8月に退陣を表明すると報じられましたが、自身はこれを否定しました。今後も国内の政局が、東京市場の先行き不透明感を強める恐れがあります。
一方、2025年4-6月期の企業業績は、米関税政策の影響が大きい自動車セクターを中心に減益リスクがあります。しかし、関税率が当初の想定よりも低水準で決着したことから、業績面で追い風となることが期待されます。本日は信越化学や中外製薬などが決算を発表する予定で、先行きの見通しなどが注目されます。
(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)


(注)データは日本時間2025年7月24日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。