
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
25日の米国株式市場では主要3指数が揃って上昇、S&P500は5日続伸し、史上最高値を更新しました。堅調な企業決算に加え、関税合意への期待が背景にあるとみられます。トランプ大統領はEUに対し8月1日に30%の相互関税を課す意向を明らかにしています。日本と米国との交渉が急転直下、合意に達したことが市場の期待につながっているようです(27日、米国とEUは関税交渉で合意に達したと発表)。為替市場では、パウエルFRB議長の解任は「必要だと思わない」とした、24日のトランプ大統領の発言を受けた米ドル高の流れが継続しました。トランプ大統領は25日にも「強いドルを好む」と発言した一方で、特に製造業における米ドル安の経済的利点を挙げるなど、為替に対するスタンスは安定せず、米ドルに対する市場の信認が回復するまでには至っていないようです。
相場の注目点
今週は各国で金融政策会合が開催される中銀ウィークです。米国では29日(火)~30日(水)にFOMCが開催されます。金融政策は据え置きが予想されます。FRBの様子見姿勢に対して政府高官から批判が相次ぐ中で、パウエル議長の政策スタンスに変化がみられるかが注目されます。日本では30日(水)~31日(木)に日銀の金融政策決定会合が開催されます。日本でも金融政策は据え置きが予想されます。市場では、同時に公表する「展望レポート」で日銀はコアインフレ見通しを上方修正し、利上げに前向きな姿勢を示すとの見方が高まっています。政治面では本日(28日)、自民党が議決権のない両院議員懇談会を開催します。不安定な政治情勢が続く中、懇談会の内容に関する報道等が注目されます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)


(注)データは日本時間2025年7月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。