(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8日、11日の米国市場は本日発表予定の、7月CPI(消費者物価指数)を控え、様子見ムードの展開となり、S&P500は6380ポイントを挟んで横ばいとなりました。為替市場では米ドルが主要通貨に対して全面高となり、対円では148円台と2日間で1円超の米ドル高が進行しました。

相場の注目点

市場ではFRB人事に対する市場の関心が高まっています。最も注目されるのは2026年5月に議長としての任期を迎えるパウエル議長の後任人事です。ブルームバーグはウォラーFRB理事が大統領側近の間で最有力候補として浮上していると報道しています。仮にウォラー理事が任命された場合、パウエル氏が理事として残った場合でも、新たな理事を1名任命することになります。また、トランプ大統領は8月8日付で退任したクーグラー理事の後任としてミランCEA(大統領経済諮問委員会)委員長を指名する意向を明らかにしました。パウエル議長の後任候補との位置付けではなく、任期は26年1月までの予定とされていることから、改めてトランプ大統領の意向に沿った理事を任命することが可能になります。これらはいずれもFRBがハト派化(利下げに積極的)することを示唆していることから、市場では米金利低下、米ドル安材料視されています。

本日のイベント

米国で7月のCPIが発表されます。食品・エネルギーを除くコア指数は6月まで5ヶ月連続で市場予想を下回りましたが、一部に関税コストを価格転嫁する動きが見受けられます。予想を上回る伸びとなれば、市場の早期利下げ観測が後退する可能性があります。

(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2025年8月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点