(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

15日の米国株式市場でS&P500は、取引時間中の最高値を更新するも、小幅安で引け4連騰とはなりませんでした。寄り前に発表された米国の小売売上高は6月分が前月比+0.6%から同+0.9%へ上方修正されたうえで、7月も同+0.5%と堅調な結果を示したものの、寄り後に発表された8月のミシガン大学消費者マインド速報値が期待インフレ率が上昇する中で消費者心理が悪化していることを示したことから、市場の消費拡大期待は尻すぼみとなりました。為替市場では米ドルが主要通貨に対してほぼ全面安の展開になりました。

相場の注目点

今週、米国では21-23日の日程で、金融・経済シンポジウムであるジャクソンホール会合が開催されます。市場参加者の最大の関心事は22日に予定されているパウエルFRB議長の講演です。FRBはこれまで、関税政策とその景気への影響を見極めるため、利下げを見送ってきました。一方、政策金利先物は、米国景気の減速観測を背景に、9月FOMCでの利下げを8割強の確率で織り込んでいます。市場の一部では史上最高値近辺で推移する米国株に対し行き過ぎとの見方もあり、利下げに慎重な政策スタンスの維持も、利下げに前向きな姿勢への転換も、いずれも市場の急変動につながる可能性がありそうです。

また、米国では2025年5-7月期の決算発表が本格化し、小売企業やソフトウエア企業の決算発表が行われます。特に小売企業については、商品の仕入れ先の変更や、関税分の販売価格への転嫁の状況など、関税について各社がどのような対応をとっているか、業績にどのような影響が及んでいるのかが注目されます。

(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2025年8月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点