(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

18日の米国株式市場で、主要3指数は様子見ムードから方向感に乏しく、一進一退の展開となりました。NYダウは反落となった一方、S&P500は横ばい、ナスダック総合は3営業日ぶりに反発となりました。米大手小売企業の2025年5-7月期決算や、22日(金)に予定されているジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演など、重要なイベントが相次ぐほか、18日から米国とウクライナの首脳会談を控え、様子見姿勢が強まりました。為替市場では米ドルが対円で上昇し、米ドル円は147円台後半まで上昇しました。

相場の注目点

米国労働市場の軟化が懸念される中、市場はFRBの9月利下げ再開への期待を高めています。米国株は利下げ期待の高まりをサポート材料に上昇基調を維持してきましたが、一方で、関税引き上げによる影響などからインフレ圧力は根強く、今週は21-23日開催のジャクソンホール会合前後で予定されるFRB高官の発言が注目されます。米国は2025年4月以降、貿易相手国・地域に対する関税率を段階的に引き上げてきましたが、これまでは在庫の積み増しや、関税引き上げ分の相当程度を企業が吸収してきたため、インフレ圧力の上昇は限定的でした。また、実際に消費者に届くまでにはある程度の時間を要します。しかし、足元では関税引き上げの影響が物価指数に顕在化し始めており、今後数ヶ月にわたり、物価上昇圧力が続く可能性があります。また、今週は小売企業の決算発表が本格化します。消費動向を占う上でも、足元の業績動向に加えて、今後企業間で値上げの動きが広がるのか、関税引き上げ分の負担をどの程度消費者へ転嫁していくのか、各社の見通しも注目されます。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2025年8月19日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点