主な個別銘柄の株価動向(8/5の米国市場)

イーパム・システムズ(EPAM) 前日比+3.61%
 ITサービス企業で、顧客企業に対し、ソフトウェア製品の開発に関連するエンジニアリング、コンサルティング、デジタル専門技術等を提供しています。米国時間5日の取引開始前に4-6月期決算を発表しました。一株当たり利益は市場予想を上回り、株価も上昇しました。

ウエスタン・デジタル (WDC) 前日比+3.27%
 
ハードディスクドライブやフラッシュメモリー製品を製造しています。米国時間4日の引け後に4-6月期決算を発表しました。一株当たり利益、売上高ともに市場予想を上回りました。7-9月期の見通しも公表しており、こちらも市場予想を上回っています。これらが好感され、株価は上昇となりました。

ウーバー・テクノロジーズ (UBER) 前日比+3.01%
 ライドシェアや料理宅配サービスを提供しています。米国時間4日の取引終了後に4-6月期決算を発表しました。4-6月期は赤字幅が拡大しており、ライドシェアおよび料理宅配事業は底堅く推移しましたが、運転手向け奨励金が収益を圧迫しました。売上高は市場予想を上回りました。株価は取引開始直後に急落しましたが、その後持ち直す展開となりました。

シフト・フォー・ペイメンツ(FOUR) 前日比+1.71%
 クレジットカードなどのカード決済業界における加盟店管理会社で、POS(販売時点管理)システムなどのソフトウェアも提供するIT企業です。米国時間5日の取引開始前に4-6月期決算を発表しました。決算実績や通期会社見通しが概ね市場予想を上回り、株価は上昇となりました。

エッツィ (ETSY) 前日比-9.74%
 マーケットプレイス「Etsy.com」を運営しています。4-6月期決算を発表し、実績は堅調でしたが、7-9月期の売上高見通しが市場予想に届きませんでした。経済再開に伴う巣ごもり消費の縮小が示唆されました。

ロク (ROKU) 前日比-4.00%
 メディアストリーミング端末を手掛けています。米国時間4日の取引終了後に4-6月期決算を発表しました。4-6月期のアクティブアカウント数やストリーミング時間といった主要業績指標が市場予想に届かず、株価は下落となりました。

本日のトピック:シフト・フォー・ペイメンツとイーパム・システムズ、ともに決算受け上昇

カード決済関連企業、シフト・フォー・ペイメンツ

決算実績は市場予想を上回る

 米国時間8月5日寄り前に、カード決済業界におけるアクワイアラー(加盟店管理会社)であるシフト・フォー・ペイメンツが4-6月期決算を発表しました。経営指標として会社が用いている調整後売上高は、前年同期比2倍超の1.36億ドルと、市場予想平均(1.22億ドル)を上回りました。調整後EBITDA(利払い・法人税・償却前利益)は同3倍超の0.45億ドルで、こちらも市場予想平均の0.41億ドルを上回りました。

会社は通期予想を引き上げ

 2021.12期通期のEBITDA見通しも、期初から引き上げ、1.75~1.80億ドルとして、市場予想平均(1.69億ドル)を上回りました。

決算を受け、株価は上昇

 これら決算を受け、同社の株価は前日比1.71%上昇しました。

 同社は、外食産業や宿泊業などを主要顧客としていることから、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けてきました。足元ではデルタ株など、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念から、株価も軟調に推移しています。

 また、POS(販売時点管理)システム等と組み合わせたソリューションを提供するなどで差別化戦略をとる企業です。

 今後、出張や旅行、外食産業におけるコロナ禍からの回復ペースや、同社が採る付加価値向上戦略が規模拡大を志向する競合企業とどの程度差異化されるかに、市場の注目が集まります。

「デザイン思考」のITサービス企業、イーパム・システムズ

決算実績は市場予想を上回る

 米国時間8月5日寄り前に、ITサービス企業のイーパム・システムズが、4-6月期決算を発表しました。

 売上高は前年同期比+39.4%の8.81億ドル、調整後EPSは同+40.4%の2.05ドルと、いずれも市場予想平均(8.60億ドル、1.94ドル)を上回りました。

会社は通期見通しを引き上げ

 期初から調整後EPSの会社予想を引き上げ8.25~8.44ドルとし、市場予想平均(7.75ドル)を上回りました。

株価は上昇

 これら決算を受け、5日にイーパム・システムズの株価は前日比3.61%上昇して引けました。

 同社は顧客企業に対し、ソフトウェア製品の開発に関連するエンジニアリング、コンサルティング、デジタル専門技術等を提供しています。製品開発に「デザイン思考」を実践し、その遂行のため、顧客体験(UX)に精通したデザイナーやコンサルタント等も自社で擁しており、顧客企業のデジタル・プラットフォームやアプリ等の差別化戦略に貢献しています。

 今日、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進などに直面しており、加えて今後は、多くの企業がコロナ後を見据えたビジネスモデルの転換を迫られると考えられます。UXを重視したシステム開発に対する需要動向に注目が集まります。

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