(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8日の米国株式市場で主要3指数は揃って反発しました。今週発表される米国の物価統計を見極めたいとの見方から様子見ムードが漂う中、NYダウはマイナス圏に沈む場面もあり、神経質な展開となりました。一方、FRBに対する利下げ期待が相場を支える中、半導体関連を中心に堅調な動きとなり、ナスダック総合は約1ヶ月ぶりに史上最高値を更新しました。

相場の注目点

前週末に公表された米国の8月雇用統計を受けて、市場ではFRBが9月16-17日のFOMCで利下げを再開することがほぼ確実とみられています。さらに、利下げ幅は現状、0.25%ポイント(pt)に留まる可能性が高いとみられますが、一部では利下げ幅が0.50%ptと、通常より大きくなるとの見方も浮上しているうえ、9月以降の連続利下げの可能性も意識されつつあります。もっとも、足元ではNY連銀調査の消費者インフレ期待が1年先で3.2%と5月以来の水準まで上昇しており、関税引き上げによるインフレ懸念は根強いといえます。市場の焦点が今後の利下げペースや利下げ幅へとシフトする中、野村證券では四半期に1回ペースと緩やかなペースでの利下げ予想を維持しており(2025年9月、12月、26年3月に0.25%ポイントずつの利下げ)、今週は8月の卸売物価指数(PPI、10日)や8月の消費者物価指数(CPI、11日)などが注目されます。仮にこれらの物価統計が予想外に下振れた場合は、FRBの利下げ観測を一段と後押しする可能性があります。

相場の注目点

9日(火)に公表される米雇用統計の年次改訂(速報値)では、非農業部門雇用者数(2024年4月から25年3月にかけて)の下方修正が見込まれています。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

注)データは日本時間2025年9月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点