
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
6日の米国株式市場では、NYダウが7営業日ぶりに反落しました。前週末まで連日で最高値を更新していたことから高値警戒感が意識され、主力株の一角に利益確定の動きが出たことが重石となりました。一方、FRBが今月のFOMCで追加利下げを決定するとの観測は引き続き相場を支え、朝方はプラス圏で推移する場面もみられました。また、NYダウ構成銘柄ではないものの、オープンAIとの複数年契約が報じられた半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が急騰し、他のAI関連銘柄に買いが波及する場面もみられました。S&P500は4営業日連続で、ナスダック総合は2営業日ぶりに、史上最高値を更新しました。為替市場では、日銀に対する10月利上げ期待後退が円安圧力となり、ドル円は150円台を回復しています。
相場の注目点
日米欧、主要各国の政局に関心が集まっています。日本では、高市氏の総裁選勝利を受けて株高、円安の動きが広がっています。来週に向けては財務相を中心とした経済閣僚人事が注目されそうです。米国では政府機関の一部閉鎖が2週目に突入しました。連邦職員の解雇を巡る懸念も意識されつつあり、引き続き与野党による予算案の交渉が注目されます。欧州ではフランスで政局不安が高まっています。ユーロ圏最大規模に膨らんだ財政赤字を是正するため、ルコルニュ仏内閣は財政再建路線を継続していましたが、野党の反発が大きく、10月5日の新内閣発足からわずか1日でルコルニュ首相は辞任を発表しました。今後、マクロン大統領は①新首相の指名、②議会の解散総選挙、③自らの大統領辞任、の三択を迫られるとみられますが、フランスではどの勢力も議会過半数に満たず、安定政権の樹立が困難な状況に変わりがないため、2026年予算を巡る与野党の交渉の行方には不透明感が漂います。
(野村證券 投資情報部 引網 喬子)


注)データは日本時間2025年10月7日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。