
※画像はイメージです。
※2025年10月16日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
政局・米中懸念で揺れる日経平均の上値・下値メドは
今週の日経平均株価は、米中対立激化への懸念や、自民党と公明党の連立解消による政局の不透明感を受けて、週明け14日は大幅に下落しました。ただ、その後は反発となり14日の下げを取り戻す展開となりました。
チャート分析の視点から振り返ってみましょう。日経平均は高市自民党新総裁誕生後初の取引日となった10月6日にマドを開けて急騰し、9日には48,500円台まで上昇しました。ただ、その後は国内政治不透明感や米中対立激化への懸念から一時的に大幅安となる等、高値圏で不安定な展開となっています。
この先、まずは10月9日につけた史上最高値(図1-①:48,597円)を突破できるか注目されます。同高値を突破した場合は、心理的フシである5万円(図1-②)や、10月9日高値から14日安値までの押し幅の倍返し水準(50,650円)が上値のメドとして挙げられます。
図1:日経平均株価:日足

(注1)直近値は2025年10月16日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
一方で、10月9日高値前後で上昇の勢いが衰え、調整に入った場合は、10月14日安値(図2-③46,544円)やこれまで何度も下支えとなっている上向きの25日移動平均線(図2-④:10月16日時点45,881円)前後、10月3~6日のマド埋め水準(図2-⑤:45,778円)で下げ止まるかが注目されます。
図2:日経平均株価:日足

(注1)直近値は2025年10月16日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)
【特集】アノマリー 日経平均11月~翌年1月の結果は良好、今年はいかに
今週の特集は「日経平均の月別騰落率のアノマリー」です。株式市場には月別の値動きに関する経験則があり、概ね5月~10月はパフォーマンスが振るわず、11月~翌年4月は良好な月が多いとされています。
日経平均株価 月別騰落率 (1949年6月~2025年9月末)

(注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値。
(注2)順位は平均月別騰落率の上位順。
(注3)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
なぜ11月以降のパフォーマンスが良いのかは明確ではありませんが、考えられる要因としては、3月決算企業が上期を通過し、保守的に立てた業績予想の上方修正がされやすくなる時期に入ることが挙げられます。通期業績に対する期待感が広がりやすいことが上昇要因の一つになっているのかもしれません。また、1月は「新年のご祝儀相場」と呼ばれ、特に1990年以前は個人投資家の買いや新春ムードが相場を押し上げるケースが多く見られました。
特にパフォーマンスが良いのは11月から翌年1月で、10月末~翌年1月末の期間については、戦後の東証再開以降で56勝20敗と勝率は約7割に達します。
今年の日経平均は4月の安値から大幅に上昇しており、月別騰落率のアノマリーが今回も当てはまるかどうかは注意深く見守る必要があります。これまでの急上昇の反動をこなしながら、上昇基調継続となるか注目されます。
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)