(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

10日の米国株式市場でNYダウとS&P500は続伸し、ナスダック総合は3営業日ぶりに反発しました。米政府機関一部閉鎖が解除に向かうとの期待からリスク回避ムードが後退し、前週に下落したハイテク株を中心に買い戻しの動きが広がりました。ドル円相場は1ドル=154円台へ上昇し、円は多くの資源国通貨や新興国通貨に対して下落しました。

相場の注目点

米国では政府閉鎖期間が40日超と過去最長記録を更新し、経済への悪影響が広がりつつあります。しかし、地方知事、NY市長選挙の終了やトランプ大統領の支持率低下などを受けて、議会上院は9日に「つなぎ予算案」の可決手続きに進みました。最終的に予算案が成立するには、修正案の下院での再可決およびトランプ大統領の署名が必要であり、引き続き交渉の進捗状況が注目されます。トランプ大統領も合意を支持する意向を示したことが報じられ、政府閉鎖は今週中にも解除されるとの期待が高まっています。「つなぎ予算案」成立となれば、連邦職員の給与支払い再開や政府支出の回復に伴い消費マインドや投資家心理の改善が見込まれます。一方で、政府閉鎖解除後は経済指標の公表再開が見込まれます。市場は12月の追加利下げを6割程度織り込んでおり、パウエルFRB議長の利下げに慎重な姿勢は十分浸透したとはいえない状況です。利下げ期待の剥落が進んだ場合は、AI関連株を中心に過熱感への警戒が続く可能性があり注意が必要です。

本日のイベント

日本では本日、注目度の高いソフトバンクグループ、ソニーグループの決算発表が予定されています。また、米国はベテランズデー(退役軍人の日)で、外国為替市場、債券市場が休場となります。

(野村證券 投資情報部 引網 喬子)

注)データは日本時間2025年11月11日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点