米国市場の動向

米主要3指数は揃って下落

 6月30日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比-0.81%、S&P500指数は同-0.87%、ナスダック総合指数は同-1.33%と主要3指数は揃って下落となりました。この日は、国内外の景気減速懸念が株価の下落要因となりました。米国5月の実質個人支出が市場予想を下回り、消費にブレーキがかかり始めたとの見方が強まったことが株式市場の重石となりました。景気減速懸念が警戒される中で米金利は低下し、米10年債利回りは一時3%を割りました。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値とほぼ横ばい

 日経平均先物CME終値は26,390円となりました。日経平均株価の前営業日終値(26,393円)とほぼ横ばいです。前日の米国市場でハイテク株が相対的に下落が目立ったことから、本日の国内市場でも成長株を中心とした銘柄が同様の展開となる可能性があり注視されます。また、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが引け後に決算を発表し、2022年6-8月期の見通しが市場予想を下回りました。国内半導体関連株の動向に影響するかは注意が必要です。
 6月30日のOPECプラス閣僚級会合では、増産ペースに注目が集まっていました。8月も現行の緩やかな増産ペースを維持すると決めています。しかし、今回の合意は予想されていたものであったことに加え、米株式市場では景気減速の懸念が高まったことからWTI原油先物価格が続落しました。この結果を受け、東京市場でもエネルギー関連株は相対的に軟調な展開が予想されます。

6月調査の日銀短観が発表予定

 本日は8:50に6月調査の日銀短観が発表されます。6月中旬に発表された財務省の法人企業景気予測調査などでも、設備投資の強い予想が示されており、日本企業の設備投資に前向きな姿勢がみられました。日銀短観の設備投資計画で、設備投資の強さが再確認されれば、機械や建設、不動産、ソフトウェアなどに恩恵があるとみられます。

海外で経済指標発表が相次ぐ予定

 都市封鎖が緩和され経済活動の正常化が進んでいる中国では、6月30日に発表された6月政府版PMIが製造業・非製造業とも50超となりました。本日、東京市場の場中に6月財新版製造業PMIが発表されますが、引き続き景況感が改善するか注目です。
 その他、本日夜に米国で6月ISM製造業指数、来週は、米国で6月ISM非製造業指数や6月雇用統計など主要統計が発表されるため、米国の景気減速の見方がある中で、景気は引き続き堅調であるかどうかが注目されます。

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