米国市場の動向

米国金利の上昇が一服する中、ハイテク株を中心に上昇

 25日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比+0.97%、S&P500指数は同+1.40%、ナスダック総合指数は同+1.67%となり、主要3指数は揃って上昇しました。8月初旬から続いていた長期金利の上昇が一服し、ハイテク株を中心に上昇となりました。
 米国市場寄り前には、カンザスシティ連銀のジョージ総裁が、「インフレ率を目標に戻す為、政策金利を4%以上まで引き上げることも考えられる」と発言しました。金利先物市場でみる利上げ確率では、9月FOMCでの0.75%ポイントの利上げの可能性が更に高まりました。
 寄り前に発表された経済指標は堅調な結果となりました。米国の4-6月期 GDP改定値は前期比年率-0.6%と市場予想を上回りました。週間新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、雇用環境の改善が示唆される結果となりました。これを受け、米国主要指数は小幅高で取引を開始しました。
 米国時間10時頃、フィラデルフィア連銀ハ-カー総裁が、「FF金利は3.4%まで上昇するのが望ましく、その後はこの水準をしばらく維持すべきである」と発言しました。2023年早々にも利上げが停止するとの見方が浮上しました。
 米国時間11時に発表された8月カンザスシティ連銀製造業活動指数が3と前月を下回る結果となりました。
 寄り前発表の堅調な経済指標を受け、上昇していた米国10年債利回りは、ハーカー総裁の発言やカンザスシティ連銀製造業活動指数の結果を受け低下へと転じました。米国金利低下を好感し、上げ幅を拡大していき、主要3指数ともにこの日の高値付近で取引を終えました。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値を上回る

 日経平均先物CME終値は28,680円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,479円)を上回る水準です。前日の米国株式市場では、米国金利の上昇が一服したことが相場の支えとなりました。東京市場では米国市場同様に、半導体や景気敏感株が上昇するか注目されます。

ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が講演予定

 本日(日本時間23時)、米国ではカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」においてパウエルFRB議長の講演が予定されています。講演において、9月以降の利上げや景気についてどのような見方が示されるか市場の関心が高まっています。野村證券では、8月17日に公表されたFOMC議事録に沿ったものになると見込んでいます。具体的には、FRBにとって引き続きインフレ抑制が最大の課題であり、利上げを続けることが適切であることに加え、FOMCは金融政策の引き締めの効果を見極め、利上げ幅を縮小させるフェーズに入っていくことなどが見込まれると野村證券では考えています。

米国でPCEコアデフレーターが発表予定

 本日は、7月個人消費支出・所得統計において、7月のPCEコアデフレーターが発表されます。7月の同指標は、6月の前月比+0.6%から伸び率が減速すると予想されています。市場の見方通りの結果となれば、インフレピークアウトへの期待が高まり、株価上昇の材料となる可能性も考えられます。

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