海外市場の動向

米主要3指数は16日に下落するも19日に揃って反発

 16日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比-0.45%、S&P500指数は同-0.71%、ナスダック総合指数は同-0.89%となり、主要3指数は揃って下落しました。この日は、一部企業の決算内容や見通しが振るわなかったことから、企業業績の下振れ懸念が高まり、株式市場の重石となりました。フェデックスが発表した2022年6-8月期の決算実績や、2022年9-11月期業績見通しが市場予想を下回りました。また、同社が通期業績見通しを撤回したことなども嫌気され株価は前営業日比で2割超下落しました。他方で、ゼネラル・エレクトリックが業績悪化を示唆する発言などが伝わり、米企業の業績下振れ懸念が高まりました。
 19日のNYダウは前週末比+0.63%、S&P500指数は同+0.68%、ナスダック総合指数は同+0.75%となり、主要3指数は3営業日ぶりに上昇しました。この日は、米長期金利が上昇したことを受け、朝方に株式市場は安く始まったものの、長期金利の上昇が一服するにつれ、前週に大きく下げていたこともあり、上昇に転じました。

相場の注目点

日経平均先物CME終値は配当落ち分を考慮すると日経平均の前営業日終値を上回る

 日経平均先物CME終値は27,490円となりました。日経平均株価の9~11月配当落ち分の約224円を考慮した場合、実質的なCME終値は27,714円と試算され、日経平均株価の前営業日終値(27,567円)を上回る水準です。連休中の米国市場では、FOMC開催を前に様子見姿勢が優勢となりました。国内市場でも、今週開催される日銀の金融政策決定会合を前に、寄付き後は方向感に乏しい展開となりそうです。
 また、前週末の国内市場では、日経平均株価が下落する中、米10年債利回りの上昇を受けて、グロース株が軟調となる一方で金融株が逆行高となりました。FOMCを前に19日に米10年債利回りが3.5%付近まで上昇しており、本日も東京市場へ影響を与えるか注目されます。

米住宅関連指標が発表予定

 19日に米国で9月NAHB住宅市場指数が発表され、市場予想を下回る結果となり、住宅市場の軟調さを示唆しました。本日20日に8月住宅着工・建設許可件数、21日に8月中古住宅販売件数が発表されます。住宅ローン金利は足元で上昇しており、住宅価格高騰と相まって住宅市場を下押しする可能性も考えられます。

今週は日米の金融政策に注目

 米国で20~21日に、FOMCが開催されます。市場では1.00%ポイントの利上げの可能性も一部織り込まれていますが、市場コンセンサスは0.75%ポイントの利上げです。仮に野村證券が予想する1.00%ポイントの利上げとなればタカ派的としてサプライズとなります。また、0.75%ポイントの利上げに留まった場合でも、ドッツの引き上げ幅次第では市場の動揺が強まる可能性は残ると、野村證券ではみています。
 日本では21~22日に日銀金融政策決定会合が開催されます。日銀の金融政策は現状維持が見込まれ、日米の金融政策のスタンスの乖離は続く見込みです。ただし、足元で急激な円安に対して当局は警戒感を強めており、日銀のフォワードガイダンスにおける物価高と円安進行に関する認識に関心が集まります。

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