来週の注目点:米国の経済指標の堅調さが継続するか注目

 相次ぐFRB(米連邦準備理事会)高官らのタカ派的(利上げに積極的)な発言や、米国の2月S&Pグローバル総合PMIの上振れなどを受けて、米国の利上げ期待は一段と高まりました。米国の堅調な景気が継続すれば、インフレ減速の見通しも後ずれする可能性があります。経済指標と同時に3月FOMC(米連邦公開市場委員会)に向けたFRB高官らの発言にも注目が集まります。今週も複数のFRB理事や地区連銀総裁の講演が予定されています。

 経済指標について米国では、28日(火)に2月シカゴ購買部協会PMI、3月1日(水)に2月ISM製造業景気指数、3日(金)に2月ISMサービス業景気指数が発表されます。景気動向を示す経済指標に堅調さが見られれば、利上げ期待の勢いが増すでしょう。

 日本では、28日(火)に1月鉱工業生産が発表されます。鉱工業生産は減産ペースの鈍化の兆候が見られており、中国のゼロコロナ政策の撤廃による景気回復期待や米国の予想以上の景気の堅調さなどから、下げ止まりを示すか注目されます。

 ユーロ圏では3月2日(木)に2月消費者物価指数(HICP)が発表されます。ユーロ圏の景気後退リスクは低下しており、欧州中央銀行(ECB)の政策メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁やビルロワドガロー・フランス中銀総裁のECB利上げ長期化を見込む発言などを踏まえると、HICPが減速しても、利上げ期待は継続すると見込まれます。

 中国では3月1日(水)に2月政府版PMIと財新版・製造業PMI、3日(金)に2月財新版・サービス業PMIが発表されます。ゼロコロナ政策の撤廃による景気回復が期待されますが、回復の度合いがどの程度か注目されます。       

(投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2022年2月24日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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