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10/05 19:00
【来週の米国株】地政学的リスクとの向き合い方/7-9月期決算発表スタート、初週の銘柄は?(10/5)
※執筆時点 日本時間4日(金)12:00 今週:株価は一進一退 ※9月27日(金)- 10月3日(木)4営業日の騰落 地政学的リスクが株価を下押し、中長期の観点で投資を 1日(火)に、イランがイスラエル本土へのミサイル攻撃を行ったことが市場のリスクオフムードを高めました。今後も、中東情勢が緊迫化する局面でこうした市場の反応が続くと見られます。しかし、地政学的リスクは予測することが極めて難しく、過去、リスクが高まった局面で資産を売却した場合、リスク後退時の株価反発の機会を取り逃がし、売買を行わなかった場合に比べパフォーマンスが劣後しやすいことが知られています。中長期の観点では株価の変動率の高まりはしばしば起こることと割り切り、投資のスタンスを変えないことが重要と考えます。 今回のイランとイスラエルの攻撃の応酬は、今年4月と同じパターンを辿るとと予想され、全面戦争に進展しないものと考えられます。イランがイスラエルへの攻撃を続ければ、イスラエルと安全保障協定を結ぶ米国による経済制裁が強化され、ただでさえ苦境にあるイランの経済が更に悪化し、国内からの不満が高まることとなるでしょう。今年7月に行われた大統領選挙では欧米との対話を重視する改革派のペゼシュキアン氏が当選しています。現体制への批判が高まり、国内情勢が混沌するリスクがあります。一方、イスラエルは米国の支持があるとは言え、国内でも現政権に対する批判が強く、かつ国連も含めて世界からの批判を強めることとなり、リスクは相当大きいものと考えられます。また、バイデン大統領は11月5日の大統領選挙を前にして、事態の更なる悪化は望まないでしょう。 サービス主導で景気堅調も、雇用に不透明感 経済指標に目を向けると、市場の関心が高い9月ISM景気指数は、製造業が47.2(市場予想は47.5)と軟調だった一方、サービス業が54.9(市場予想は51.7)と堅調でした。米景気をサービス業が支える構図が改めて確認されました。 雇用に関しては、ISM景気指数の雇用指数は製造業、サービス業がともに前月比低下した一方、9月ADP雇用統計や週間の失業保険申請者件数(9月28日の週)は市場予想を上回りました。週末の雇用統計に向けて不透明感が残る内容でした(執筆時点の日本時間4日(金)12:00時点では9月雇用統計は未発表)。 「物価と雇用のバランス」の舵取りに注視 金融政策を判断するための物価と雇用の2つの判断指標 雇用と物価に特に注目が集まる理由は、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備理事会)には、「物価の安定」と「雇用の最大化」という2つの使命(Dual Mandate)が課されているからです。現在の米国の経済・金融環境をみると、インフレ抑制に向けた2022年3月以降の利上げが功を奏し、2%の物価目標を上回ったインフレ率がピークアウトし、順調に減速するディスインフレ(物価上昇の鈍化)にあります。一方、失業率は小幅に上昇しており、FRBのパウエル議長も雇用環境の更なる悪化は歓迎しないとの意見を表明しています。現在のFRBのスタンスはインフレよりも雇用に軸足を置いた金融政策となっています。今後は、景気の軟着陸に向けて、高い水準にある政策金利を適度なペースで引き下げて行くことになるでしょう。 来週:金融政策の見極め+決算発表シーズンへ 注目される米国の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)は、11月5日(火)の米大統領選挙直後の6日(水)~7日(木)に開催されます。市場ではそれまでの間、大統領・議会選挙の行方と利下げ幅の判断に影響を与えうる各種要因を消化しながらの展開が続くことが予想されます。 ①9日(水)のFOMC議事要旨 今週に関しては9日(水)の9月FOMC議事要旨が注目されます。大幅利下げを決定した背景や、今後の利下げに関するFRB内の考え方を改めて確認する手がかりになることが期待されます。 ②週後半には月次のインフレ指標 10日(木)の9月消費者物価指数、11日(金)の9月生産者物価指数も注目されます。8月分までは総じてディスインフレを示す指標が続いていましたが、利下げによって先送りとなっていた需要が戻りインフレが再燃するリスクには目配りが必要です。当月指標への影響は軽微ながら今後は、米東海岸港湾でのストライキや、ハリケーン「ヘレン」の影響や、中東情勢の緊迫化を受けて、徐々に上昇している原油などもインフレ率に影響してくるでしょう。 ③7-9月期決算スタート いよいよ7-9月期決算発表がスタートします。山場はマイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)などが決算発表を予定する10月21日(月)の週からと言えますが、来週は11日(金)にJPモルガン・チェース(JPM)やブラックロック(BLK)などの金融大手の決算が注目されます。米銀の融資部門にとって長らく逆イールド(短期金利が長期金利を上回る金利環境)が負担になってきましたが、利下げ進展の中で逆イールドが解消され、景気はそれほど悪化しないソフトランディング(軟着陸)となれば環境は改善します。各銀行の見通しやCEOのコメントが注目されます。 その他、8日(火)の飲料のペプシコ(PEP)、10日(木)空運のデルタ航空(DAL)、配食大手のドミノ・ピザ(DPZ)など各業界の大手が決算発表を予定しています。これらの企業と関わりの深い消費はマクロ指標では堅調が続いていますが、費用面では人件費上昇、収入面では裁量的支出を控える動きも示唆されています。決算の売上高や1株当たり利益だけでなく、市場予想の上振れ・下振れ要因となったセグメント等を確認していきたいと考えます。 (編集:野村證券投資情報部 小野崎 通昭) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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10/05 12:00
【オピニオン】新総裁誕生で市場の評価軸が変わる?
※画像はイメージです。 2024年7月11日に42,224円(終値)の最高値を更新した日経平均株価は、その後進行した円高を嫌気し、8月5日には前営業日比4,451円と史上最大の下げ幅を記録しました。その後は、米国の利下げ、不透明な国内政局、中東情勢の緊迫化、などが交錯し不安定な展開が続いています。本稿では、8月5日以降の乱高下の過程で株式市場の評価軸に何か変化が起きているのかどうかを確認してみましょう。 日経平均株価の推移と主要ファクターの累積リターン(2024年年初~) バリューファクターの累積リターン 【事実①バリューファクター】‥2024年年初来、最高値達成の主役はPERやPBRなどバリューファクターでした。その後、日経平均株価が下落に転じる中で、バリューファクターはさえない展開となりましたが、年初来積み上げてきた累積リターンをすべて吐き出したわけではありません。また、足元では有効性復活の兆しがみられます。 グロースファクターの累積リターン 【事実②グロースファクター】‥ROEや業績修正などのグロースファクターは最高値更新のメインプレイヤーではありませんでした。ただ、史上最大の下げ幅となった8月5日以降は、株価の回復とともに顕著な有効性を示しています。 その他のファクターの累積リターン 【事実③その他のファクター】‥7月の最高値達成に至る過程では、先高観の強さからβ値や、過去12ヶ月リターンなどのファクターが有効性を発揮しました。その後の下落過程で、これらのファクターもさえない展開となりましたが、年初来積み上げてきた累積リターンをすべて吐き出したわけではありません。また、足元では有効性復活の兆しがみられます。 (注)日経平均株価の推移と、主要ファクターの2024年年初来の日次累積リターン。直近の値は2024年10月2日。いずれもファクタースコアの高い上位20%と下位20%の銘柄のリターンスプレッド。例えば予想ROEでは、ROEの高い20%と低い20%のリターンスプレッドとなっている。分析の母集団はラッセル野村Large Cap。②グロースファクターの図表は、見易さを優先し縦軸を制限している。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 ファンダメンタルズ指標への信頼感は損なわれていない 株価が下方トレンドに転じる際には、往々にしてEPSやBPS、ROE、業績修正などファンダメンタルズ指標への信認が同時に低下します。これらファンダメンタルズ指標の多くは、PERやPBRなどのバリュー指標を構成する要素でもあるので、バリュー/グロースファクターの有効性が著しく低下します。 今回はどうかというと、8月5日までの下落過程では、バリュー/グロースファクターの有効性が低下したものの、その後の反発局面では再び有効性が復活しており、ファンダメンタルズ指標への信頼感は損なわれていないと考えられます。 なお、今回指摘した傾向は、9月27日に自民党新総裁選出の後も変化はないようです。為替市場などでは立候補者ごとに、金融政策面などでラベリングする動きが見られましたが、株式市場の物色という側面からは殆ど影響はなかったといってよいでしょう。 ご投資にあたっての注意点
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10/05 09:00
【注目トピック】米決算発表シーズンへ、業種によって明暗が分かれるか
※画像はイメージです。 米国:2024年7-9月期決算プレビュー 7-9月期は前年同期比+4.4%予想 10月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年7-9月期の決算発表が本格化します。2024年9月27日時点の調査会社LSEG集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+4.4%と推定されています。2024年4-6月期の同+11.3%と比べ、増益率が鈍化する見込みとなっています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 セクター別では、原油価格下落の影響が予想されるエネルギーで、純利益は二桁減益が予想されています。素材セクターも減益予想となっている他、景気敏感業種の多くで増益率の鈍化が目立ちます。 一方で、情報技術やコミュニケーション・サービス(広告を主力とするインターネット企業等)等では、二桁増益が予想されています。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2024年4-6月期には、2024年3-5月期決算、2024年5-7月期決算企業も含む。(注2)直近4四半期平均とは2023年4-6月期~2024年1-3月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。(注3)LSEGによる2024年9月27日時点(売上高について499社、純利益について499社)の集計。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 アナリスト達は慎重に見直している模様 リビジョンインデックスの動向をみると、2024年9月25日時点では、FY1(予想1期目)は1.04、FY2は0.87となっています。2024年7-9月期の決算発表を前に、アナリスト達が業績予想を慎重に見直しているとみられます。 (注)S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。直近値は2024年9月25日時点。FY1は予想1期目(12月決算企業の場合、2024年12月期)、FY2は予想2期目(12月決算企業の場合、2025年12月期)。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 決算発表時の注目点 次に、年度ベースでのEPSについてみると、前回の四半期である2024年4-6月期決算の発表が本格化する直前の7月5日時点の集計と比べ、各年度とも下方修正となっています。この点からも、足元で企業業績に対して、慎重な見方が増えていることが窺えます。 ただし、下方修正されているとはいえ、2024年以降も、増益基調が続く予想となっています。米国には情報技術分野で世界をリードしている企業が多数あることから、AIの普及などに伴い、情報技術関連企業主導で、企業業績が拡大していくことへの期待が織り込まれていると推察されます。 (注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場予想平均。[ ]内の数値は、2024年7月5日時点のLSEG集計による市場予想平均。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 今後、2024年7-9月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、会社業績見通しや経営陣のコメントなどから、今後も業績拡大基調が続くか、見極めていきたいと考えます。現時点では、2024年10-12月期については前年同期比+11.7%と予想されていますが、この予想が維持されるか、注意してみていきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
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10/05 07:00
【来週の予定】FOMC議事要旨で今後の利下げの手掛かりが得られるか
来週の注目点:9月FOMC議事要旨、日本の賃金関連統計 注目される米国の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)は、11月5日(火)の米大統領選挙直後の6日(水)~7日(木)に開催されます。市場ではそれまでの間、大統領・議会選挙の行方と利下げ幅の判断に影響を与えうる各種要因を消化しながらの展開が続くことが予想されます。 今週に関しては9日(水)の9月FOMC議事要旨、10日(木)の9月消費者物価指数、11日(金)の9月生産者物価指数、10月ミシガン大学消費者マインド速報値などが注目されます。 9月FOMCでは市場コンセンサスの0.25%ポイントに対して、0.5%ポイントの利下げが決定されました。会合後の記者会見でパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は「これが新しい利下げペースだと捉えるべきではない」と発言し、市場の大幅利下げ期待を牽制しました。FOMC議事要旨では大幅利下げを決定した背景や、今後の利下げに関するFRB内の考え方を改めて確認する手がかりになることが期待されます。 日本では8日(火)の8月毎月勤労統計、9月景気ウォッチャー調査が注目を集めそうです。毎月勤労統計ではインフレ下での家計の購買力の動向を探る上で実質賃金動向が注目されるうえ、春闘でのベアが連合加盟組合の枠組みを越えてどの程度広がりを見せているのかを確認する上で、「一般労働者の所定内給与」の上昇率も注目を集めそうです。 政治面では、石破首相は9日(水)には衆議院解散に踏み切る意向です。自民党総裁選直後の日本株の急落は一時的なものに留まりましたが、選挙公約や選挙戦略、党内の選挙体制などを通じた石破政権に対する市場の評価が改めて注目されます。 その他、今週は10日(木)に9月ECB政策理事会議事録の発表、9日(水)にニュージーランド、インドの金融政策会合、7日(月)からは2024年のノーベル各賞発表も予定されています。また、国慶節(10月1日~7日)の大型連休明けの中国市場の動向も注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月4日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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10/04 16:12
【野村の夕解説】円高が進む中でも日経平均は底堅く推移、83円高(10/4)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日、米国で発表された9月のISMサービス業景気指数は市場予想を上回り、米国景気の底堅さが確認されました。FRB(米連邦準備理事会)による積極的な利下げ観測が後退したことで米国金利が上昇し、ニューヨーク外国為替市場では1米ドル=146円台後半まで円安米ドル高が進みました。これを受けて、本日の日経平均株価は前日比42円高の38,594円で取引を開始しました。その後、円安進行は一服したものの、値がさ株のファーストリテイリングやアドバンテストの上昇が寄与し、日経平均株価は前日比180円高の38,732円で午前の取引を終えました。午後に入って、今晩発表される米国の9月雇用統計を前に様子見姿勢が拡がり、東京外国為替市場で米ドル円が円高方向に進んだことを受けて、日経平均株価は上げ幅を縮小しました。米ドル円が一時1米ドル=146円を割り込み、日経平均株価は下落に転じる場面もありましたが、引け間際に米ドル円が146円台を回復したのに伴って再度上昇に転じ、結局、前日比83円高の38,635円で本日の取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で9月の雇用統計が発表されます。FRBによる今後の利下げペースを見極める上で、労働市場の動向は重要な指標となることから、注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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10/04 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、チャート好転シグナル複数点灯も、9月末に大幅安
※画像はイメージです。 ※2024年10月3日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 調整一巡後、心理的フシの4万円へ向けた動きとなるか 今週の日経平均株価は、自民党総裁選結果を受け大幅下落で始まりましたが、その後円高一服を背景に下げ幅を縮めました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月9日安値(35,247円)から27日高値(39,829円)にかけて大幅に上昇しましたが、自民党総裁選の結果を受けて9月30日(9月末)に前営業日比で1,900円を超える大幅安となり、その後も振れ幅の大きい展開が続いています。 この先、再度調整となった場合は、75日線(10月3日:38,258円)や200日線(同:37,834円)、25日線(同:37,569円)などを下値サポートとして下げ止まりとなるか注目されます。 一方で、9月27日高値にかけての上昇で、主要な移動平均線など複数の上値抵抗線を超えました。さらに、8月5日安値に対する二番底が完成する等、チャート好転のシグナルが複数みられており、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。調整一巡後、まずは9月27日高値(39,829円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けた動きとなると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年10月3日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 8月に急落した日経平均株価は、10月に入ってからも引き続き振れ幅の大きい状況が続いています。ただし、ブラックマンデー時は底入れから約1ヶ月半(36営業日)で二番底をつけ、その後本格的な上昇相場に移行しました(図2)。今回は8月5日の安値からすでに約2ヶ月(40営業日)が経過しています。今後、年末にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に入ることが期待されます。 (注1)直近値は2024年10月3日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 日経平均、2つのアノマリーで年末・年始への相場を占う 日経平均株価は、自民党総裁選や中東情勢緊迫化を受けて、大幅安となる等、引き続き振れ幅の大きい状況が続いています。ただ、年末・年始にかけて、以下2つのアノマリー(明確な理論的根拠がない相場の経験則や事象)が、日本株の追い風になると考えられます。 まず1つめは、衆議院選挙のアノマリーです。10月1日に石破首相は、記者会見で10月9日に衆院を解散し、27日に投開票を実施すると表明しました。過去の衆議院選挙と株式相場動向(図3)をみると、解散日から投票日までの期間に株価が上昇する傾向が見られます(図3:A→B)。戦後東証再開以降、25回の衆議院選挙のうち20回で日経平均株価は上昇しており、1990年以降に限れば11回中10回で上昇しています。新政権の政策や経済対策等への期待が背景として考えられます。自民党は現在政権公約を準備しているとみられますが、総裁選直後の市場の反応を踏まえた政策転換の有無を含めて、石破新政権の具体的な経済政策に注目が集まります。 (注1)投票日が休祭日の場合は前営業日の株価を基準日に採用。(注2)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・投票日が5日違いで行われた衆参同時選挙。(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成 2つ目のアノマリーは、月別騰落率のアノマリーです(図4)。日経平均株価の月別騰落率をみると、9月が最もパフォーマンスが悪く年末年始にかけて改善していく傾向がみられます。特に11月~1月にかけてのパフォーマンスが良い傾向がみられます。 月別ランキングでは上昇率が高い順に、11月が3位、12月が4位、1月が1位となっています。 これら2つのアノマリーを考慮すれば、8月の大底から既に2ヶ月が経過し日柄調整が進展している日本株は、年末年始にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に移行すると考えられます。 (注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値 (注2) 順位は平均月別騰落率の上位順 (注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面 (注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。 (出所)日本経済新聞社、S&Pダウ・ジョーンズ株式会社より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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10/04 08:43
【野村の朝解説】米株反落、中東情勢の悪化懸念が重石に(10/4)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 3日の米国株式市場では、3指数が揃って小幅に反落しました。イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルが報復攻撃に備えて準備を進めていると報じられたことから、中東情勢が一段と悪化するとの懸念が高まりました。NYダウの下げ幅は一時前日比300ドルを超える場面がありました。一方、米9月ISMサービス業景気指数が54.9と市場予想(51.7)を大きく上振れ、8月(51.5)から改善しました。米国経済の底堅さが示されたことは、株式市場の下支えとなりました。 相場の注目点 今週の日本株式市場は、値動きの激しい展開が続いています。9月30日は、自民党総裁選で選出された石破氏の政策は財政再建や金融緩和策の正常化を志向していると受け止められ、ドル円が一時1ドル=141円台を割り込むなど急速な円高が進行し、日経平均株価は今年3番目の下げ幅となる前週末比1,910円安となりました。10月2日には、石破首相が「現在、追加の利上げをするような環境だとは思っていない」と発言したことで、日銀の利上げ姿勢をけん制したとの観測が広がり、ドル円は1ドル=146円台後半へと円安が進行し、3日の日経平均株価の上げ幅は一時1,000円を超える場面がありました。今後の市場の焦点は、解散総選挙です。自民党総裁選直後の日本株の急落は一時的なものに留まりましたが、選挙公約や公認候補者など、石破政権に対する市場の評価が改めて注目されます。 本日のイベント 米国では9月雇用統計が発表されます。FRBのリスクの軸足はインフレから雇用へと移行しており、今後のFRBの利下げペースを占う上で重要です。 (野村證券 投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年10月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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10/03 16:19
【野村の夕解説】日経平均株価反発、円安進行で743円高(10/3)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 昨日夕方に石破首相は首相就任後初めて日銀の植田総裁と面会しました。面会後、記者団に「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」との認識を示し、市場では早期の利上げ観測が後退しました。また、昨日米国の経済指標が米国景気の堅調さを示すものであったことから、米国長期金利の上昇(価格は下落)が進みました。本日日本時間9時ごろの外国為替市場では、1米ドル=146円50銭前後と大幅に円安ドル高が進みました。 本日の日経平均株価は前日比650円高の38,459円で寄り付き、円安を受け輸送用機械や値がさの半導体関連株が上昇し全体をけん引しました。前場に上げ幅は一時1,000円を超える場面もありましたが、その後は4日(金)の9月雇用統計を見据え徐々に上げ幅を縮小させ、終値は前日比743円高の38,552円となりました。 また本日14時ごろ日銀の野口審議委員が長崎県金融経済懇談会で講演を行いました。金融政策運営について「緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要」との認識を示したと伝わりましたが、市場の反応は限定的でした。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国では9月ISMサービス業景気指数が発表されます。また4日(金)に9月雇用統計が発表されます。結果により11月のFOMCでの追加利下げ幅が見極められるため、注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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10/03 08:35
【野村の朝解説】米国株小動き ドル円は1ドル146円台へ(10/3)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 2日の米国株式市場で、主要3指数は揃って小幅高となりました。イスラエルがイランに対して報復する姿勢を示すなど、中東情勢は引き続き緊迫状態にあります。一方、ADP雇用リポートでは米国労働市場の堅調さが示され、ソフトランディングへの期待が維持されたことが株価を下支えしました。 相場の注目点 為替市場で円相場は大幅に下落し、1米ドル=146円50銭台で推移しています。9月ADP雇用リポートの結果を受けた米国長期金利の上昇に加え、日銀の利上げ姿勢をけん制する石破首相の発言が要因となっています。総裁選後の株安や円高を受け、石破政権はタカ派的とのイメージの払拭を優先しているとみられ、総選挙までは円を売りやすい環境との認識が一段と強まりそうです。ただし、総選挙に向けては過度な円安やインフレも逆風になり得ます。米国景気ソフトランディングの確度が高まる局面では円安圧力が強まるため、追加利上げに前向きな姿勢へと変化する可能性には注意が必要です。 本日のイベント 本日は米国で、9月のISMサービス業景気指数や8月の製造業受注、週間新規失業保険申請件数などが発表されます。米国の経済指標を通じて、ソフトランディングへの期待がさらに高まれば、為替市場での円安ドル高進行を通じて日本株の上昇要因となりそうです。日本では、野口日銀審議委員の講演が予定されています。 (野村證券 投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年10月3日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点