決算概要
実績は予想を上回り、通期見通しを引き上げ
米国時間5月18日寄り前に、店舗小売、Eコマース事業を運営するウォルマート(WMT US)が2023年2-4月期(2024.1期第1四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を2.4%上回り、EPSは市場予想を11.4%上回りました。
会社は、2024年1月期通期の売上高とEPS見通しを、従来の見通しからそれぞれ上方修正しました。
グローバルで販売好調、米国でシェア拡大
グローバルで販売が好調で、特に中国やウォルメックス(メキシコの小売部門)、フリップカート(インドのEコマース部門)で売上高が前年同期比で2桁成長となったことを会社は強調しました。また、米国では生活必需品でのシェアを、特に高額所得層や若年層で継続的に高めていることを会社はコメントしました。
インフレによる消費者の節約志向により、利益率の低い食料品や消耗品の売上高に占める割合が上昇したことから、売上高総利益率は前年同期比で低下したものの、生産性の向上などにより売上高成長を上回るEPS成長を達成しました。
売上高とEPSの推移
株価は上昇
ウォルマートの株価は、前日比1.30%高で引けました。
好調な実績と、通期見通しの上方修正を市場は好感したと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年5月18日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年2-4月期(2023/4)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年5-7月期以降の予想は2023年5月17日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)