本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンス、野村アナリスト予想(通期実績のみ)の比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

パナソニック (6752)
住友金属鉱山 (5713)
味の素 (2802)
ヤマハ (7951)
ライオン (4912)

パナソニック、ポートフォリオ改革進み22.3期は大幅増益を予想

 当社は、売上高から、売上原価と販売費及び一般管理費を控除した調整後営業利益を算出しています。2021年3月期は、売上高は事業ポートフォリオ改革による非連結化の影響などで減収となりました。営業利益は前年度の事業譲渡益などの一時益の反動もあり減益となりましたが、調整後営業利益は、空調空室・車載電池・情報通信インフラ向けなどで社会的な変化を捉えた事業が好調で、増益となりました。

住友金属鉱山、非鉄価格の上昇追い風に大幅増益

 2021年3月期は、電池材料事業での一時的な生産調整による減販などはあったものの、銅・ニッケル・金価格が前期を上回ったことで増収増益となりました。2022年3月期については、市場予想を下回る税引前利益の見通しを示しましたが、高値で推移する非鉄価格が需給環境から乖離した水準にあるリスクも想定したうえで、需給バランスを予測して計画したとしています。前期比で、金価格は下落、銅・ニッケル価格は上昇を想定しています。

味の素、調味料や化成品が堅調で二桁増益 自社株買いも発表

 当社は、IFRS(国際会計基準)の適用にあたり、事業利益という段階利益を導入しています。事業利益は、売上高から売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費を控除し、持分法による損益を加えたものです。2021年3月期は、主力の調味料・食品セグメントで外食向け製品の減収影響があったものの、家庭用製品の増収効果や製品ミックス改善効果があったことに加え、ヘルスケア等セグメントでは化成品及び動物栄養が堅調に推移し、増益となりました。併せて、発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合4.55%の自己株式取得も発表しています。

ヤマハ、22年3月期営業利益は、市場予想を上回る48%増を見込む

 楽器事業はアコースティックピアノと電子楽器は、中国での販売が成長軌道に復帰した他、各国の市況が回復基調にあるものの、商品供給不足もあり上期の減収をカバーするまでには至らず、減収となりました。管楽器は市況の回復が遅れ減収となりました。22年3月期の営業利益は市場コンセンサス予想を上回る48%増を見込みます。

ライオン、ハンドソープなどで特需の反動出るもハミガキ分野は堅調

 事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、当社は恒常的な事業業績を測る利益指標として重視しています。2021年1-3月期は、主力の一般用消費財事業でオーラルケア分野の売上は堅調な一方、ビューティーケア分野のハンドソープなどで前年同期の需要拡大の反動がでました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサス、野村アナリスト予想は2021年5月10日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

・前日(5/7)の決算速報:<決算速報>花王、AGC、ミネベアミツミ、オリンパス、JAL(5/7)

・今週の決算展望:<今週の決算展望>大手自動車メーカーは減産リスクを乗り越えるか

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