海外市場の振り返り

31日の米主要3株価指数は揃って下落しました。中国で発表された5月政府版PMIが市場予想を下回ったことなどが嫌気され、アジアや欧州株が総じて軟調だったことを受け、NYダウは続落して寄り付きました。寄り付き後に発表された4月JOLTS求人件数は、市場予想を上回り、3ヶ月ぶりの高水準となりました。労働需給のひっ迫を示す内容だったことから、FRBによる金融引き締めが継続し、米国景気が鈍化するとの懸念が株式市場の重石となりました。

相場の注目点

6月FOMC(13-14日)における利上げの有無に市場の関心が高まってます。31日は、クリーブランド連銀のメスター総裁が「6月FOMCで利上げを停止する納得できる理由が見当たらない」と、タカ派発言を繰り返した一方、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁やジェファーソンFRB理事は、利上げ見送りを示唆するなど、引き続き、FRB内の見解には相違があるとみられます。3日からは、FRBのブラックアウト期間(FOMCメンバーが金融政策に関する発言を控える期間)に入るため。金融政策の動向を見極める上では、今後米国で発表される経済統計が重要な判断材料となります。

本日のイベント

日本では、1-3月期法人企業統計が発表され、設備投資の結果が注目されます。米国では、5月ISM製造業景況指数や5月ADP雇用統計などが発表されます。また、米連邦政府債務上限問題について、下院での採決が行われる予定です。

(投資情報部 澤田 麻希 )

(注)データは日本時間2023年6月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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