本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンス、野村アナリスト予想(通期実績のみ)の比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

ソフトバンクグループ (9984)
日本電信電話 (9432)
富士フイルムホールディングス (4901)
資生堂 (4911)
テルモ (4543)

ソフトバンクグループ、ファンド事業好調で純利益は国内企業過去最大に

 2021年3月期のSVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)1およびSVF2などからの投資利益は6兆2,920億円となりました。ガーダントヘルス(一部)やウーバーテクノロジーズ(一部)などの売却による実現益や、クーパンやドアダッシュといった上場投資先の未実現評価益が計上されました。2021年1-3月期もAUTO1やクーパンなど複数の投資先企業が上場を実現しました。純利益は4兆9,879億円となり、国内企業で過去最大を更新しました。併せて自己株式取得と負債削減のための4.5 兆円プログラムの終了も公表しています。

NTT、22.3期は営業収益・営業利益ともに過去最高を見込む

 2021年3月期は、その他事業を除く主要4セグメント全てが増益となりました。2020年12月のNTTドコモ完全子会社化をはじめ、リモート移行やDXへの需要などに対応した結果としています。最大部門の移動通信事業では、契約数が前期比2.9%増となり、低価格プラン「ahamo(アハモ)」の事前エントリーも254万件と好調でした。会社は2022年3月期についても、営業収益・営業利益ともに過去最高を見込んでいます。

富士フイルム、22.3期営業利益は8.8%増を予想

 主力のヘルスケア&マテリアルズソリューション部門の事業は増収増益となりました。メディカルシステム事業は新型コロナウイルス感染症の拡大により、営業活動自粛などの影響を受けたものの、第3四半期から売上が回復しました。バイオ医薬品CDMO(受託開発)事業も売上は好調に推移しました。

資生堂、1-3月期営業利益67.6%増 事業譲渡に伴い通期営業利益予想は下方修正

 2021年1-3月期の売上高は、日本を除いた全ての地域で成長しました。スキンビューティーブランドが成長をけん引し、E コマースも引き続き伸長しました。営業利益は、売上増に伴う差益増に加え、マーケティング投資や経費等において市場環境の変化に合わせた適切なリソースアロケーションを行ったことなどにより、前年同期比67.6%増となりました。2021 年12 月期の業績予想に関しては、パーソナルケア事業譲渡・合弁事業化に伴う下期の売上高、営業利益減少影響などを織り込み、売上高と営業利益が下方修正されました。

テルモ、21.3期は営業利益11.1%減 海外カテーテル事業が苦戦

 2021年3月期は、地域別にみると日本は、主力の心臓血管カンパニーへの新型コロナ感染拡大の影響が、他地域と比較して小さかったことに加え、ホスピタルカンパニーにおいて感染対策製品に対する需要増もあり、過去最高の売上収益を達成しました。一方で、海外は、心臓血管カンパニーの中でも特にTIS(カテーテル)事業に対する新型コロナ感染拡大の影響が大きく、減収となりました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサス、野村アナリスト予想は2021年5月12日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

・前日(5/11)の決算速報:<野村の決算速報>ソフトバンク、ダイキン、武田、NTTデータ、バンナム(5/11)

・今週の決算展望:<今週の決算展望>大手自動車メーカーは減産リスクを乗り越えるか

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