本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンス、野村アナリスト予想(通期実績のみ)の比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。
三菱地所 (8802)
オリックス (8591)
セコム (9735)
スズキ (7269)
楽天グループ (4755)
三菱地所、前期実績・今期見通し共に市場予想を上回る


2021年3月期の業績は、前期比で減収減益となりました。新規オフィスビルの通期稼働や竣工、及び既存ビルでの賃料増額改定などによってビル賃貸利益は増加しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた商業施設及びホテル事業の利益の減少などにより、減収減益となりました。2022年3月期の業績は、ホテルや商業施設における新型コロナ影響の軽減も期待できることから、2021年3月期比で増収増益を見込んでいます。配当政策に関しては、連結配当性向30%程度を目処として決定する方針としています。
オリックス、親会社株主利益36.4%減 自社株買いを発表


2021年3月期は、不動産開発・賃貸・管理などを手掛ける不動産セグメント、航空機のリース・管理などを手掛ける輸送機器セグメント、事業投資・コンセッションセグメントなどが減益となりました。一方で、環境エネルギーセグメント、保険および銀行・クレジットセグメントは増益となりました。決算発表に併せて、500億円上限(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合が約 4.1%)の自己株式取得を公表しています。
セコム、営業利益4.2%減 セキュリティーは回復途上もBPO・ICT事業が下支え


2021年3月期は、主力のセキュリティサービスに関わる商品販売・工事売上の減収や医療機器・医薬品の販売減が響き、営業利益は4.2%減となりました。一方で、データセンター事業や、コンタクトセンター業務の受託などで売上を伸ばしたBPO・ICT事業が業績を下支えしました。会社の今期営業利益見通しは前期比で微増に留まり、市場予想に届きませんでした。
スズキ、インド・日本で販売回復 営業利益は市場予想を上回る


2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大による影響で第1四半期に大幅な減収減益となり、7月以降はインドや日本市場で販売が回復しましたがカバーできず、原材料価格の高騰もあり減収減益となりました。ただし、営業利益実績は市場コンセンサス予想を上回りました。インドでの新型コロナウイルス感染拡大による影響などにより、2022年3月期の業績予想は未公表でした。
楽天グループ、売上収益は第1四半期として過去最高を更新 モバイルの先行投資続く


当社の売上収益は、新型コロナウイルス感染拡大に伴うEC需要の高まりを受けて、「楽天市場」などのサービスの取扱高が伸長し、第1四半期として過去最高を更新しました。一方、モバイル事業における基地局設置の前倒しを含め、先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は315億円となりました。(Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。)なお、投資事業において、フィンテック関連企業への株式投資の評価益が306億円計上されています。
(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサス、野村アナリスト予想は2021年5月13日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成
・前日(5/12)の決算速報:<野村の決算速報>ソフトバンクG、NTT、富士フイルム、資生堂、テルモ(5/12)
・今週の決算展望:<今週の決算展望>大手自動車メーカーは減産リスクを乗り越えるか