決算概要
EPSは市場予想を上回った
米国時間7月28日寄り前に、ブランド化された消費財を製造・販売するプロクター・アンド・ギャンブル(PG US)が2023年4-6月期(2023.6期第4四半期)決算を発表しました。
売上高は市場予想を2.9%上回り、EPSは市場予想を3.6%上回りました。
2024年6月期通期の売上高について会社は前年度比+3~+4%(為替の悪影響1%を含む)との見通しを示し、中間値は市場予想(851.63億ドル)を0.3%下回りました。
販売数量減を値上げが補う
2023年4-6月期の会社全体の販売数量は1%減でしたが、販売価格が7%増と値上げが売上高増に繋がりました。部門別で最も伸びたのは、コロナ禍のロックダウンの影響を受けて落ち込んでいた高級化粧品「SK-II」などを手掛けるビューティー部門で、売上高は前年同期比8%増となりました。
売上高とEPSの推移
株価は上昇(騰落と理由)
プロクター・アンド・ギャンブルの株価は、前日比2.83%高で引けました。インフレによる財消費の逆風にもかかわらず、全製品部門で売上高が市場予想を上回るなど、安定した業績を示したためと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。売上高見通しは、為替の悪影響1%を含む。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月28日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月27日時点。
(注4)各部門の主な製品は、ファブリック・ホームケアは洗濯用洗剤等、ベビー・フェミニン・ホームケアは紙おむつ・生理用品等、ビューティーはシャンプー・トリートメント・スキンケア製品等、ヘルスケアは歯磨き粉・咳止め・妊娠検査薬等、グルーミングは髭剃り等。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・岩崎 晴弥)