※2023年9月28日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

今週の日経平均株価は、米国長期金利の上昇が止まらず、グロース株を中心とした米国株安の流れを受けて、軟調に推移しました。9月末の配当落ち日と重なった9月28日は前日比で499円の下落となりました。

調整継続の場合は31,000円台前半が下値メド

チャート面として、まずは日経平均株価の日足チャートを振り返りましょう(図1)。日経平均株価は、9月15日高値(33,634円)形成後に大幅安となり、28日には一時31,674円まで下落しました。さらなる調整となった場合、8月18日安値(31,275円)や、今年1月安値から6月高値にかけての上昇幅に対する1/3押し(31,068円)の水準が下値メドとして挙げられます。

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(注1)直近値は2023年9月28日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、これまでの下落を受けてRSI(9月28日:36.21%)は30%台まで低下しています。この先調整一巡後に反発となった場合、まずは25日線(同:32,636円)や75日線(同:32,655円)の水準を奪回となるか注目されます。

今年6月高値形成後、日柄調整が進展

次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう(図2)。6月以降は大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」をこなしていると考えられます。9月中旬にかけての上昇で、中段保ち合い上限(33,500~33,700円)にトライしましたが打ち返され、再び保ち合いの範囲内に押し戻されました。

 (注1)直近値は2023年9月28日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

ただ、今年6月に上値を抑えられてから9月まで既に約3ヶ月が経過し日柄調整が進展しており、この先調整一巡となれば中段保ち合い上限突破に向けた動きとなるか注目されます。

ドルは対円で昨年10月高値に接近、上放れた場合は

ドルは対円で上昇し、150円の大台に迫っています。米FRB(米連邦準備制度理事会)が追加利上げを排除しない姿勢を示した一方、日銀は政策変更を見送ったことで、ドルは対円で高止まりが続いています。150円台に接近したことで、政府・日銀による今まで以上に強い表現での口先介入や、場合によっては実弾介入の可能性も否定できず、当局の介入姿勢に注目が集まります。

チャート上では9月26日に149.18円まで上昇し、昨年10月以来の円安・ドル高水準をつけました(図3)。心理的フシの150円や、昨年10月高値(日銀公表値ベース:150.48円)の水準に接近しており、同水準を上放れとなるか注目されます。

(注1)数値は日銀公表値で東京市場。直近値は2023年9月27日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行、各種資料より野村證券投資情報部作成

上放れとなった場合、次の主なメドとして、1990年4月高値(160.35円)の水準が挙げられます。昨年10月高値超えの場合、日足チャート上はフシを超えたとの捉えられ、一時的に円安・ドル高の動きが加速する可能性が考えられます。一方で高値更新となれば当局が介入姿勢を今まで以上に強める可能性もあり、注意が必要です(図4)。

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。図中のG7はいずれも財務相中央銀行総裁会議。2011年10月の1米ドル=75円38銭の戦後最高値については、ブルームバーグのデータに基づく。(注2)データは週次で、米ドル円レートは各週のレートの平均値であり、直近の値は2023年9月19日に始まる週。
(出所)財務省、ブルームバーグ、各種報道資料より野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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