海外市場の振り返り

米国では政府機関閉鎖を一旦免れる中、9月ISM製造業指数が49.0と市場予想(47.9)を上回り、前月(47.6)から改善するなど景気軟着陸の可能性を示唆する内容だったものの、米国株式市場は金利上昇を警戒し、まちまちの展開となりました。FRB高官から年内の追加利上げや政策金利高止まりを示唆する発言が相次いだこともあり、先物市場では11月FOMCの利上げを3分の1程度織り込み、米国10国債利回りは一時4.70%程度まで上昇し、今回の利上げ局面のピークを更新しました。米国の金利上昇を背景に為替市場ではドル全面高の展開となりましたが、為替介入への警戒もあり、ドル円レートは1ドル=150円手前の水準で推移しています。

相場の注目点

市場の関心は引き続き各国の金融政策に集まっています。米国では景気堅調を示唆する経済指標が政策金利高止まり観測を喚起、長期金利の上昇を経由して株安材料視されやすい状況が続いています。金利高止まり観測の緩和に向けてはインフレの鎮静化がポイントとなるだけに、今週末発表の雇用統計、来週発表予定の物価関連統計が注目を集めそうです。日銀は9月の決定会合で金融政策、フォワードガイダンス(政策運営指針)ともに据え置きました。ただし、昨日公表された主な意見では、物価基調の底堅さへの言及が増加、日銀内で出口議論が活発化し始めた様子が垣間見える内容でした。年末から来年初にかけて日銀の政策修正期待が根強く残存し、円安ドル高に対する一定の歯止めとなることが予想されます。

(投資情報部 尾畑 秀一 )

(注)データは日本時間2023年10月3日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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