※2023年10月12日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均は10月4日安値形成後に急反発、25・75日線回復

今週(10月10日〜)の日経平均株価は大幅上昇となりました。FRB(米連邦準備理事会)高官の発言を契機とし米国長期金利が低下したことで米国株が上昇したことや、日本の長期金利も低下したこと等が好感されました。

チャート面として、まずは日経平均株価の日足チャートをみてみましょう(図1)。日経平均株価は、10月4日安値(30,487円)にかけての急落で短期的な売られすぎ感が強まっていたこともあり、その後大幅反発となりました。急落時に空けたマドを次々に埋め、10月12日には直近の戻りで上値を抑えられた25日移動平均線(12日:32,303円)や75日線(同:32,436円)を回復しました。同線を完全に上放れとなれば、まずは、9月15日高値(33,634円)や6月19日高値(33,772円)などがある今年6月以降の中段保ち合い上限水準を目指す動きとなると考えられます。一方で、再度調整となった場合、10月4日安値(30,487円)に対する二番底固めの展開へ移行すると見込まれます。

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(注1)直近値は2023年10月12日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

日柄調整進展、保ち合い上抜けに向けた動きを期待

次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう(図2)。今夏以降の日経平均株価は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」をこなしていると考えられます。10月にかけての調整によって下落率は9%を超え、初夏に上値を抑えられてからの日柄調整も進展しています。この先、中段保ち合い上抜けに向けた動きとなることが期待されます。

 (注1)直近値は2023年10月12日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

米国長期債、ナスダック総合は自律反発の範囲内か

米国10年債利回りは、10月に約16年ぶりとなる4.8%台まで上昇しました(図3)。その後9月雇用統計にて雇用者数が事前の予想を上回り、一時的には一段と上昇したものの続かず、利回り低下に転じました。チャート上では、10月3日に今年7月以降の上昇トレンドの上限を上抜けるなど、今まで以上のスピードでの上昇となっていたので、それらの上昇に対する反動という捉え方ができます。現状の低下(10日ボトム:4.6%台)は反動の域を出ていませんが、仮にこの先、7月以降の利回り上昇トレンドライン(4.4%前後)を下回った場合、ここ数ヶ月続いた利回り上昇局面が終了した可能性が高まったと捉えられます。

(注1)直近値は2023年10月10日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

また、これまで米国長期金利上昇を嫌気し下落傾向となってきたナスダック総合指数は、9月27日安値(12,963pt)と10月3日安値(13,008pt)によってダブルボトムを形成し、その後反発となりました(図4)。この先、75日移動平均線(10月11日:13,731pt)や7月高値(14,446pt)形成後の下降トレンドラインを上抜ける動きとなれば、自律反発の範疇を超えてきたと捉えられます。

 (注1)直近値は2023年10月11日。 (注2)トレンドライン等には主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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