来週の注目点:米経済指標とFRB高官発言、日本の物価に注目

日米の株価が値を戻しています。FRB(米連邦準備理事会)高官の発言を契機に、追加利上げへの懸念が後退したことが大きいと見られます。米長期金利の上昇が引き締め効果を生み、利上げ代替効果を生むとの見方が強まっていますが、FRBが利上げを終了し、長期金利の上昇が止まるか否かは不透明感が残ります。今週は米国でパウエル議長に加えて、地区連銀総裁の講演が複数予定されており、注目を集めます。

また、米国では、16日(月)に10月NY連銀製造業景気指数、17日(火)に9月小売売上高、9月鉱工業生産、18日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、9月住宅着工・建設許可件数、19日(木)に9月中古住宅販売件数が発表されます。

日本では、20日(金)に9月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。生鮮食品を除くコアCPIは減速が見込まれますが、賃上げ継続を背景に物価の粘着性は徐々に増すと野村證券では予想します。10月30日-31日の日銀金融政策決定会合ではインフレ見通しの修正が検討されている模様です。今後の金融政策を占う上で物価動向には引き続き注目が集まります。

ユーロ圏では、17日(火)にドイツの10月ZEW景況感調査が発表されます。利上げに伴う内需の減速が引き続き景気を下押ししています。インフレ圧力が緩和しつつある中、製造業の景況感に底打ちの兆しが見えれば相場の下支えとなると見られます。

景気に安定化の兆しが見える中国では、18日(水)に7-9月期実質GDP、9月小売売上高、鉱工業生産、1-9月固定資産投資、不動産投資などの主要月次経済統計が発表されます。製造業の循環的な回復、不動産市場の支援策や金融緩和などの政策効果が注目されます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年10月13日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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