海外市場の振り返り
16日の米国株式市場は、主要3指数が揃って上昇となりました。シカゴ連銀グールズビー総裁が「インフレ低下は一時的現象でなく、トレンドであることは疑いようがない」と述べたと伝わるなど、足元でFRB高官が政策金利の据え置きを示唆する発言が増加しており、次回FOMCで政策金利を据え置くとの見方が相場の支えとなりました。また、前週に始まった決算発表において市場予想を上回る内容が多く、期待感から株式市場に買いが入りました。
相場の注目点
米国の金融政策や中東の地政学リスクが引き続き相場で材料視されると見ています。今週は、18日にフィラデルフィア連銀ハーカー総裁、19日にはパウエルFRB議長に加えて地区連銀総裁の講演が複数予定されており、注目を集めます。 中東情勢については、米国を中心に情勢悪化を食い止めるための外交が継続されており、過度な懸念は和らいでいますが、イスラエルによるガザ地区への地上侵攻のリスクは依然として高く、注意が必要です。もっとも、過去におけるハマスによるイスラエルへの攻撃とイスラエルのガザ地区への報復攻撃は、イスラエルの優勢で短期に終了し、他国の介入も無く、産油地帯や石油の輸送路から離れていることにより、金融市場への影響は限定的でした(野村證券吉本シニアエコノミスト)。
本日のイベント
米国では、9月小売売上高、9月鉱工業生産が発表されます。また、バンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスなどの金融セクター、医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソンなどが決算発表を予定しています。
(投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2023年10月17日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
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