海外市場の振り返り

17日に発表された米国経済指標は概ね良好でした。9月の小売売上高は前月比+0.7%と市場予想の同+0.3%を上回りました。自動車やレストラン・バーでの消費が増えたことが押し上げ要因となりました。オンライン売上高は同+1.1%と好調でしたが、因みに10月はアマゾンの有料会員向けセール「プライムデー」などを受けオンライン売上高が増加する傾向があります。加えて、9月の鉱工業生産指数は前月比+0.3%と市場予想の同+0.0%を上回りましたが、製造業が同+0.4%と上昇し、けん引しました。全米自動車労組(UAW) のストライキにより自動車生産が抑制されたものの、総じて堅調な結果となりました。こうした良好な経済指標を受け、米国長期金利(10年国債利回り)は一時、4.85%へ上昇し、株価の頭を押さえる展開となりました。NYダウが前日比+0.03%、S&P500指数が同0.0%、ナスダック総合指数が同-0.25%とまちまちな展開となりました。

相場の注目点

一方、この日は米国商務省が中国に対する人工知能(AI)用半導体輸出制限の強化を盛り込んだ新たな規制措置を公表する見通しであると報じられ、エヌビディア(NVDA)への影響が懸念される中で、半導体関連銘柄が大きく売られ、情報技術が下げを主導する局面もありました。また、18日からバイデン大統領がイスラエルを訪問する予定ですが、事態は混迷の様相を呈しています。更に、米下院が同日実施した次期下院議長の選出は、1回目の投票で共和党の議長候補ジョーダン下院司法委員長が過半数を獲得できず、2回目以降の投票に持ち越されることになりました。米主要企業の7-9月期決算発表が始まり、総じて堅調な結果となっていますが、相場自体は神経質な展開が続くものと思われます。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2023年10月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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