決算概要:2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間10月17日寄り前に、医薬品、医療機器の製造を行うジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ US)が2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.5%上回り、EPSは市場予想を5.7%上回りました。
医薬品堅調も医療機器がやや予想を下回った
部門別売上高実績は、医薬品は主力の膠原病薬を中心に市場予想を上回った一方、医療機器は手術用機器などが市場予想を下回りました。会社は、GLP-1抗肥満薬によって肥満手術の需要が低下した可能性がある、とコメントしました。
会社は、2023年12月期通期の売上高(買収・売却、為替変動、新型コロナワクチンを除く)とEPSの見通しを上方修正しました。
売上高とEPSの推移
株価は下落
ジョンソン・エンド・ジョンソンの株価は、前日比0.91%安で引けました。
医療機器部門の売上高が市場予想を下回り、前述の抗肥満薬の悪影響や、コロナ禍中手控えられた手術の正常化が不透明と市場参加者が受け止めたことが要因と考えます。今後については、上方修正された業績見通しを達成し不透明感を払拭できるかが注目されます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年10月17日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年7-9月期(2023/9)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年10-12月期以降の予想は2023年10月16日時点。消費者部門の分離後の初の四半期決算のため、過去の比較可能の実績・予想は2022年7-9月期の会社発表値のみ。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)