※2023年10月19日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

今週(10月16日〜)の日経平均株価は下落基調となりました。中東での地政学リスクの高まりや日米の長期金利上昇が日経平均株価の重石となりました。

「二番底」固めの展開へ

チャート面として、まずは日経平均株価の日足チャート(図1)をみてみましょう。

(注1)直近値は2023年10月19日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

日経平均株価は、10月4日安値(30,487円)にかけての急落で短期的な売られすぎ感が強まっていたこともあり、その後大幅反発となりました。ただ、10月13日高値(32,533円)形成後は再度調整となり、一時上抜けた75日移動平均線(10月19日:32,364円)や25日線(同:32,120円)を割り込みました。この先、10月4日安値(30,487円)に対する二番底固めの展開へ移行すると考えられます。一方で調整一巡後に、25・75日線を完全に上放れとなれば、まずは、9月15日高値(33,634円)や6月19日高値(33,772円)などがある今年6月以降の中段保ち合い上限水準を目指す動きとなると考えられます(図1)。

中長期では「中段持ち合い」継続へ

次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう(図2・図3)。

 (注1)直近値は2023年10月19日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

 (注1)直近値は2023年10月19日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

今夏以降の日経平均株価は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」をこなしていると考えられます。10月にかけての調整によって下落率は9%を超え、初夏に上値を抑えられてからの日柄調整も進展しています。調整一巡後は、中段保ち合い上抜けに向けた動きとなることが期待されます(図2・3)。

 (注1)直近値は2023年10月11日。 (注2)トレンドライン等には主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

NYダウ、8月高値形成後の調整をどう捉えるか

NYダウは、今年8月高値(終値ベース:35,630ドル)形成後に調整相場入りとなり、10月には一時33,002ドル(終値ベース)まで下落しました(図4) 。これら大幅下落を受けて、昨年9月以降の中長期上昇トレンドが終了したと言えるのでしょうか。それとも継続中なのでしょうか。

(注1)直近値は2023年10月18日。(注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

チャート面からは中長期上昇トレンド自体は継続中であり、今回の調整は一時的である可能性が高いと考えられます。昨年9月安値から今年8月高値までの上昇率は24%ですが、波動構成上参考となる過去の中長期上昇局面(図5:図中①-⑤)はコロナショックで中断となった局面(同:図中④)を除いて70%を超える上昇となっています。

(注1)直近値は2023年10月18日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。  

(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

そのため、今年8月以降の調整は中長期上昇局面内の一旦の押しである可能性が高いと考えられます。 

また、今年8月高値から10月安値にかけての下落率は7%を超えましたが、過去の中長期上昇局面においても、10%弱の調整相場を挟むケースが複数回みられました(図4)。今回も過去の調整局面と同様に一時的な調整に留まり、先行きは本格上昇局面に復帰することが期待されます。

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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