※2023年10月26日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

騰落レシオは売られ過ぎを示唆する水準に接近

今週の日経平均株価は長期金利上昇を嫌気し、軟調な展開となりました。

チャート面として、日経平均株価の日足チャートをみてみましょう。日経平均株価は、10月13日高値(32,533円)にかけて一旦は値を戻す動きとなりましたが、その後は再び調整となり、10月26日時点で同月4日安値(30,487円)に接近しています(図1)。

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(注1)直近値は2023年10月26日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

ただ、東証プライム騰落レシオは70%台まで低下し、売られすぎを示唆する水準に接近しており、この先、底入れに向けた動きとなると考えられます(図2)。

(注1)直近値は2023年10月26日時点。 (注2)東証プライム騰落レシオは2022年4月4日以降はプライム市場の上昇及び下落銘柄数を使用、同日より前は東証一部ベース。(注3)東証プライム騰落レシオの主なボトムと、その前後の日経平均株価を赤丸囲みで示した。(注4)東証プライム騰落レシオが70~80%の箇所を赤色網掛けしている。
(出所)日本経済新聞社、東京証券取引所より野村證券投資情報部作成

底入れとなった場合は、10月13日戻り高値形成時に上値を抑えられた25日移動平均線(10月26日:31,700円)や75日線(同:32,224円)を完全に上抜けることができるか注目されます(図1)。

一方、仮に調整継続となり10月4日安値(30,487円)を割り込んだ場合は、さらなる下値メドとして、200日移動平均線(同:30,287円)や心理的フシの30,000円、今年1月安値から6月高値にかけての上昇幅に対する半値押し(29,716円)の水準が挙げられます。

上海総合指数、長期上昇トレンドライン上まで下落 

世界の株式市場は夏場以降軟調な動きとなっていますが、長期金利上昇や地政学的リスクの高まりに加え、中国経済に対する懸念も相場の下押し圧力の一つとなっています。今回は中国を代表する株価指数の一つである上海総合指数についてみてみましょう。

上海総合指数は、今年5月ピーク(終値ベース:3,395pt)から下落基調となり、10月中旬以降の大幅安で心理的フシの3,000ptを割り込みました。ただ、10月安値(同:2,939pt)にかけての下落によって、チャート上の重要なフシの一つである2005年以降の長期上昇トレンドラインに到達しており、下げ止まりとなるか注目されます(図3)。

仮に同ラインを割り込み、さらに2022年10月安値(同:2,893pt)や同年4月安値(2,886pt)の水準を割り込んだ場合は、2020年3月安値(2,660pt)や2019年1月安値(2,464pt)の水準がさらなる下値メドとして挙げられます。

(注1)月足は終値ベース。直近値は2023年10月24日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

一方で底入れ反発となった場合、2023年5月以降の下降トレンドラインを超えることができるか注目されます(図4)。

同ラインを超えれば、自律反発の域を超え、数ヶ月続いた下落トレンドが転換した可能性が高まったと捉えられます 。

(注1)直近値は2023年10月24日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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