海外市場の振り返り

米国株式市場は、ハイテク株決算で示唆された先行きの景気に対する懸念が続き、NYダウが前日比-0.76%、S&P500指数が同-1.18%、ナスダック総合指数が同-1.75%と主要3指数とも下落しました。米国の7-9月期の実質GDP速報値は年率換算で前期比+4.9%と、2021年10-12 月期以来約2年ぶりの高い伸びとなりました。前期の同+2.1%、市場予想の同+4.3%をともに上回りました。個人消費が同+4.0%と牽引しました。これに先立って、ECBは市場予想通り政策金利を据え置きを決定し、声明文で金利水準を維持すればインフレは目標まで低下するとの見方を示したことから、欧州国債利回りが低下するとともに米10年国債利回りも4.90%付近へと低下しました。しかし、7-9月期決算においてメタ・プラットフォームズ(META US)が中東紛争が勃発して以降、広告収入が軟調になっているとコメントしたことや、アルファベット(GOOGL)のクラウド部門の売上高実績が市場予想を下回ったことなど、ハイテク株の先行きの懸念が尾を引き、株式市場を押し下げました。

相場の注目点

来週は30~31日に日銀金融政策決定会合、10月31日~11月1日にFOMCが開催されます。また、11月1日に10月ISM製造業景気指数、3日に10月雇用統計、10月ISMサービス業景気指数と重要統計の発表が相次ぎます。更に中国では5年に一度の全国金融工作会議が30日(月)~31日(火)に開催される見込みです。足元で堅調な米国経済ですが、年末商戦入り後もそのモメンタムを維持できるのか、米長期金利の落ち着きどころを探りながら、株式市場は神経質な展開が続きそうです。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2023年10月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

FINTOS!編集部オリジナル記事

【銘柄ランキング】40-50代の投資家に買われた個別銘柄は?(2023年9月)

【#半導体製造装置】AI抽出15銘柄/レーザーテック、SCREEN、兼松…

ご投資にあたっての注意点