海外市場の振り返り

11月7日の米国株式市場は、主要3指数が続伸となりました。ダウやS&P500は7営業日連続、ナスダック総合は8営業日連続の上昇です。シカゴ連銀グールズビー総裁が政策金利について「どのぐらい高くすべきかというより、今の水準をどのぐらい長く維持するかという議論に変わっていくだろう」と述べ、ウォラーFRB理事も「労働需給はバランス方向にある」と評価する中で、追加利上げへの警戒感が和らぎ、穏やかな経済成長継続への期待が相場を下支えしました。米10年債利回りは再び4.5%台まで低下し、高PER(株価収益率)のテクノロジー株に買いが入りました。また、7-9月期決算で市場予想を上回る企業が多いことも買い安心感につながっています。個別では、半導体受託生産大手のグローバル・ファウンドリーズが発表した7-9月期決算において決算実績や見通しが市場予想を上回ったことから一時前日比9.3%高となりました。原油先物市場では、中国の景気先行き懸念から大幅反落となりました。

相場の注目点

米国の金融政策や中東の地政学リスクが引き続き相場で材料視されると見ています。本日はパウエル議長など複数のFRB高官の講演が予定されています。米国債利回りが低下し、米国株が続伸するなど金融環境の緩和傾向が続く中、FRB高官が市場の早期利下げ期待を牽制するなど、タカ派色を強める可能性には注意が必要です。FRBのタカ派化は円安ドル高要因となりますが、円は1ドル=150円台半ばの水準にあり、152円台からは日銀による介入の警戒感が強まりやすく、上昇ペースは緩やかになると野村證券では見ています。また、日米主要企業の決算発表にも引き続き注目です。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2023年11月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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