海外市場の振り返り

S&P500指数とナスダック総合指数は小幅高で終了し、連騰記録をそれぞれ8日と9日に伸ばしました。NYダウは反落し、連騰が7日で止まりました。この日は主な経済統計の発表はなく、パウエルFRB議長の講演も金融政策や経済に触れることはありませんでした。米10年国債の入札は、最高落札利回りが4.519%、応札倍率は2.45倍と前回を下回りましたが、まずまずの結果と市場は受け止め、米10年国債利回りは4.50%へ低下し、株式市場の支えとなりました。一方、日銀の植田総裁が昨日の衆院財務金融委員会で「物価と賃金の循環がまだ弱く緩和政策を維持している」と説明したことを受けて、ドルはオーバーナイトで151.06円まで上昇しました。また、米中の需要が低迷するという懸念から、WTI先物価格が前日比2.63%下落し、75.33ドル/バレルと7月中旬以来約3ヶ月ぶりの安値となりました。

相場の注目点

引き続き、米長期金利の居所が主要なテーマです。足元では4.5%近傍ヘ低下していますが、直近1ヶ月あまりのボラティリティ(変動性)は高い状態となっています。引き続きインフレ再燃の可能性も否定できず、今後、米下院の予算審議が滞り、財政ファンディングを巡る不透明感もあります。来週は米国の主要経済指標が発表されます。10月のCPI(消費者物価指数)、11月NY連銀製造業景気指数、10月小売売上高、10月鉱工業生産、10月住宅着工件数など重要統計の発表が相次ぎます。米国の実体経済が想定より上振れた場合、利上げ再開の可能性が浮上しますので、引き続き丁寧なフォローが必要でしょう。

(投資情報部  佐々木 文之)

(注)データは日本時間2023年11月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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