海外市場の振り返り

17日の米国株式市場は追加材料に乏しい中、NYダウが前月比+0.00%、S&P500指数が同+0.12%、ナスダック総合指数が同+0.08%と小幅高の展開となりました。この日発表された10月住宅着工件数は年率137.2万戸と市場予想を上回る前月比+1.9%、建築許可件数も年率148.7万件と市場予想を上回る前月比+1.1%となりました。これを受けた10年国債利回りが4.44%とほぼ横ばいで安定したことは株式市場の支えとなりました。一方、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が「インフレ率が目標の2%に向かう軌道にあるかについて確信は持てない」と述べ、更にボストン連銀のコリンズ総裁も「追加利上げの可能性を除外すべきではない」との見解を示しましたが、いずれも最近のスタンスの域を出ていないため、市場への影響は限定的でした。なお、オープンAIのアルトマンCEO退任との報道が流れ、マイクロソフト(MSFT)が前日比-1.68%と下落しました。

相場の注目点

今週は21日(火)に11月FOMC議事録が公表されます。FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は「金融状況は複数ある要因の中でも特に長期金利の上昇により、ここ数ヶ月に顕著に引き締まった」と述べています。こうした効果に対する議論の行方が注目されますが、現状の政策金利水準を相当程度維持するとのスタンスを改めて表明するものと思われます。これを通じて、足元で低下している長期金利が更に下方シフトする動きをけん制することが考えられます。経済指標では欧州では23日(木)、日本と米国では24日(金)に11月のPMI速報値が発表されます。特に米国のサービス業PMIが好不況の分岐点である50を割り込むか否かが注目点です。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2023年11月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

FINTOS!編集部オリジナル記事

【野村の動画】「貯蓄から投資へ」が始まりだしている可能性

【今週のチャート分析】日経平均は中段保ち合い上限に接近、突破となるか注目(11/17)

ご投資にあたっての注意点