海外市場の振り返り

29日の米国株式市場はNYダウが前日比+0.03%、S&P500指数は同-0.09%、ナスダック総合指数が同-0.16%と小動きでした。この日発表された7-9月実質GDP改定値は前期比年率換算+5.2%と速報値の同+4.9%から上方修正されました。2021年10-12月期以来の高い伸びとなりました。一方、アトランタ連銀のボスティック総裁は「インフレは低下の軌道にある証拠がある」、リッチモンド連銀のバーキン総裁は「サービスインフレは依然上昇中であり、インフレが2%に向かって低下中との見方には懐疑的である」とそれぞれ述べましたが、これまでのトーンに変化はなく、影響は限定的でした。米10年国債利回りは4.25%まで低下し、ドルは147円台後半から一時147.08円まで下落しました。

相場の注目点

引き続き焦点は「米国経済がどの程度減速するのか」「FRBの利下げのタイミングはいつか」です。公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)では「経済活動は前回の報告以降に減速し、消費者が裁量的支出を控えている」と指摘し、家計が価格により敏感になっている可能性が指摘されています。アトランタ連銀の「GDP NOW」では10-12月期の実質GDPは前期比年率+2.1%と予想しています(11月22日時点)。一方、調査会社アドビ・アナリティクスによる集計では感謝祭週末(11月23日~27日)のネット販売額は前年比+7.8%と堅調さが報じられています。30日に10月個人消費支出・所得統計、12月1日に11月ISM製造業景気指数、5日に11月ISMサービス業景気指数、8日(金)に11月雇用統計と重要指標の発表が相次ぎます。既に減速していると推計される米国経済を見極める局面に入ってゆきます。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2023年11月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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