海外市場の振り返り

11月30日の米国株式市場ではNYダウ及びS&P500が続伸した一方、ナスダック総合は続落となりました。NYダウは3日続伸して年初来高値を更新し、終値は2022年1月以来の水準に上昇しました。FRBがインフレ指標として注目する10月コアPCE(個人消費支出)価格指数が30日に発表され、9月の前年比+3.7%から10月は+3.5%に減速し、市場予想と一致しました。足元でインフレの鈍化や労働市場の軟化を示す統計や、FRB高官の発言を受けて、利上げサイクルが終了したとの見方が相場を下支えしました。一方、米10年国債利回りが4.3%台と前日を小幅に上回って推移する中、半導体関連などが売られナスダック総合の重石となりました。

相場の注目点

米国株の上昇は日本株の支援材料になる一方、長期金利の上昇はテクノロジー株などの重石になる可能性があります。米国の株高を支えているのは、利上げ局面が終了し、米景気が軟着陸に向かうという期待です。ただし、足元では利上げサイクルの終了を示唆しつつも、市場の利下げ期待を牽制するFRB高官発言が散見されます。本日はブラックアウト入りを前にパウエルFRB議長の発言機会が予定されており、市場の利下げ期待など最近の市場動向に関する言及があるかに注目です。また、利下げに向かうには、景気やインフレの減速が持続的との判断が必要となります。本日は、米国で11月ISM製造業景気指数、中国では11月財新版製造業PMIなど、景気指数が発表されます。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2023年12月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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