海外市場の振り返り

12月1日の米国株式市場で、NYダウは4日続伸し、2022年1月以来の高値を更新しました。パウエルFRB議長は大学のイベントで、「金融緩和の時期を推測するのは時期尚早だ」と述べた一方、足元の政策金利は「かなり景気抑制的な領域に入っている」との見方を示しました。発言内容が市場が警戒していたほどタカ派ではなかった、との見方から株式市場では買いが優勢となりました。また、発表された11月ISM製造業景気指数が市場予想を下回ったことなどから、米国債利回りが低下(2年国債利回りは4.54%と6月中旬以来の水準へと低下)し、株式市場を下支えました。

相場の注目点

為替市場では、約2ヶ月半ぶりに1ドル=146円台まで円高が進行しています。背景には、インフレ鈍化を示す統計や足元のFRB高官の発言を受けて、FRBによる利上げサイクルが終了したとの見方から、米国債利回りが低下したことなどが挙げられます。今週は、金融政策を見極める手掛かりとなる、米国の11月ISMサービス業景気指数(5日)や11月雇用統計(8日)などの重要統計が相次いで発表されます。

本日のイベント

本日は、第1回日銀ワークショップが開催されます。「非伝統的金融政策の効果と副作用」が議題であり、日銀側の報告に対し日銀外からの指定討論者を交えて議論が行われる予定です。

(投資情報部 澤田 麻希)

(注)データは日本時間2023年12月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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