海外市場の振り返り

11日の米国市場では、11月CPIや12月FOMCなどの重要イベントを控えて、債券・株式市場ともに小動きとなりました。8日発表の11月雇用統計の堅調な結果を受けて米国経済が軟着陸するとの期待が続き、米国株は主要3指数が揃って続伸し、2022年前半以来の高値で引けました。個別では、マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手テクノロジー企業7社の株価が軟調だった一方、半導体株、生活必需品、ヘルスケア、小型株などが堅調でした。為替市場では、日銀が12月会合で政策変更を行うことに否定的な報道を受け、円が売られる展開となり、一時は1ドル=146円半ばまで円安ドル高が進みました。

相場の注目点

米国では来年の相場を占う上で重要な2日間を迎えます。12日に11月CPIが発表され、12~13日には12月FOMCが開催されます。市場では今会合では金利据え置き、2024年中に4~5回の利下げの織り込みが進み、米金利の低下と、円高ドル安や株高をもたらす要因となっています。しかし、FRBの政策金利見通しが市場が期待するほどの利下げ幅を示さなかった場合などは、一時的に市場のかく乱要因となる可能性もあり、相場の楽観論が試されます。他方、日本では、13日に12月調査・日銀短観が発表されます。2024年前半に日銀がマイナス金利政策を解除するとの観測が市場では強まりつつあり、短観で景況感や企業のインフレ期待が改善すれば、政策修正への警戒感がさらに強まる可能性があります。12月FOMCと合わせて相場が大きく変動する要因となり得るため、注目です。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2023年12月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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