※2023年12月14日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

上値は25日線、下値は75日線に注目

今週の日経平均株価は、米国株が堅調に推移したものの、円高進行が逆風となり、上値の重い展開となりました。

日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、11月20日高値形成後に調整となり、12月8日にこれまで何度かフシとして機能してきた75日移動平均線(14日:32,418円)の水準まで下落しました(図1)。その後は反発に転じましたが、25日線(同:33,112円)に上値を抑えられており、同線を回復できるか注目されます。

回復となれば、11月20日高値(33,853円)超えが視野に入り、6月以降の保ち合い上放れへ向けた動きとなることが期待されます。一方で上値が重く再び調整となった場合は、8日に下支えとなった75日移動平均線(14日:32,418円)の水準を維持できるか注目されます。

仮に同線を下放れた場合は、11月1日~2日のマド埋め(31,601円)や、200日線(同:31,221円)の水準が下値のメドとして挙げられます。

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(注1)直近値は2023年12月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

次に中長期的な動きを確認すると、初夏に33,000円台後半で上値を抑えられた後は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」に移行したと考えられます(図2)。これまでの調整を経て、下落率や調整期間の点で2020年6月~10月末の中段保ち合い時と比較して、既に調整十分となっていると捉えられます。

12月に入り不安定な展開となっていますが、目先の調整一巡後は、再度中段保ち合いの上限突破を目指す動きとなることが期待されます。

(注1)直近値は2023年12月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

年末特集:ドル円相場 2024年の見通し

2023年のドル円相場は、米10年債利回りが10月に約16年ぶりとなる5%台まで上昇し、日米金利差が再び拡大する中で、概ね円安・ドル高方向への動きとなりました。ドルは対円で、2023年1月に一時127.22円をつけた後は上昇傾向となり、2023年10月には2022年につけた150円台に回帰しました。

ただ、12月に入り一時140円台前半まで下落するなど不安定な動きとなり年末を迎えています(図3)。

(注1)直近値は2023年12月13日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行、各種資料より野村證券投資情報部作成

2024年は、円高・ドル安トレンド入りの可能性に留意が必要だと考えられます。ドルは対円で1975年高値から約8年のサイクルで高値をつけています(図4)。2023年12月時点で2015年6月につけた前回のサイクル高値から既に8年半が経過しており、既に8年サイクル高値をつけたか、近い将来につける可能性が高いと考えられます。

(注1)直近値は2023年12月13日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端含み。
(出所)日本銀行、日本相互証券、FRB、Wall Street Journalより野村證券投資情報部作成

12月に入り、前回の中長期上昇局面(21/1安値~22/10高値)で下支えとなってきた26週移動平均線(13日:146.31円)を割り込み、不安定な動きとなっています。年末にかけて26週線割れが定着した場合、2023年11月高値(151.80円)で天井を形成した可能性が高まったと捉えられます(図3)。

過去の動きをみると8年サイクル高値形成後は、年単位の下落トレンドがみられています。そのような動きとなった場合、まずは2023年1月安値(127.22円)や、2022年1月安値~2023年11月高値上昇幅の50%押し(127.20円)の水準が下値メドとして挙げられます(図4)。

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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