海外市場の振り返り

12日の米国市場では、主要3指数が小幅続伸し、それぞれ年初来の高値を更新しました。11月CPI(消費者物価指数)が前年同月比+3.1%と市場予想と一致し、大きなサプライズが回避されたためと考えられます。CPI公表後、イエレン財務長官はインフレ率が「確実に低下しつつある。目標に合致する水準まで下がらないと考える理由はない」とインフレ抑制に自信を示しました。情報技術関連株が上昇をけん引した一方、原油価格が下落したことでエネルギー関連株は下落しました。

相場の注目点

米国では、13日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されます。デリバティブ市場では、今会合では政策金利を据え置き、2024年中に4~5回の利下げを行うことが織り込まれ、米金利の低下とそれに伴う円高ドル安、株高の要因となりました。一方で、政策金利見通し(いわゆるドットチャート)では、2024年中に9月会合と同様の2回か、3回程度の0.25%ポイントの利下げが示されると市場は予想しています。野村では3回の利下げが示されると予想しており、野村予想通りとなればややドル安となる可能性があります。

欧州では、14日のECB(欧州中央銀行)の金融政策理事会が注目点です。市場では、景気の低迷を背景に2024年3月会合での利下げが約6割の確率で織り込まれています。野村では、ラガルドECB総裁は記者会見で前回10月の会合と同様、利下げの議論を行うことは極めて時期尚早である、との見解を繰り返すと予想しています。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2023年12月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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