海外市場の振り返り

FRB(米連邦準備理事会)は13日、大方の事前予想通り3会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。同時に発表された政策金利見通し(中央値)では、1回あたりの政策金利の変更幅を0.25%ポイントとした場合、2024年中に3回、25年中に4回の利下げ見通しが示されました。市場では24年末までに4~5回の利下げを織り込んでいたものの、FRBの政策姿勢が緩和方向へ転換したことを好感、パウエル議長からも早期利下げをけん制する発言は見受けられなかったことから、米国株式市場では主要3指数が続伸し、NYダウは史上最高値を更新しました。米国債市場では利回り曲線全域にわたって金利が低下、為替市場ではドル全面安の展開となりました。ドル円も1ドル=142円台後半とFOMC直前の145円前後の水準から2円以上円高が進行しました。

相場の注目点

本日はECB(欧州中央銀行)の政策理事会、週明けには日本銀行の金融政策決定会合が開催されます。市場ではいずれも金融政策の据え置きが予想されています。ただし、FRBの政策スタンスの転換を受け、ECBに対しても緩和方向へ政策スタンスを転換させるとの期待が高まっていると見られます。一方、日銀に関しては2024年1月会合で金融政策を修正するとの予想も少なくなくありません。岸田首相が13日の会見で早期政策修正に対して牽制を行ったとの報道もあり、今回の会合でフォワードガイダンス(政策の運営指針)や植田日銀総裁の発言を通じて政策修正に向けたヒントが示されるか否かが注目されます。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2023年12月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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