海外市場の振り返り

昨日公表された英中銀(BOE)、欧州中央銀行(ECB)の会合結果はいずれも政策金利据え置き、ベイリー英中銀総裁、ラガルドECB総裁は前のめりに利下げ期待を強める市場を牽制する姿勢を維持しました。想定内ではあったものの、市場では英欧の景況感悪化を受けて米国以上の早期利下げを予想する動きもでていただけに、ユーロ、ポンドは対米ドルで大きく上昇しました。米国株式市場では前日のFOMCを受けた流れが継続し、主要3指数が揃って続伸、NYダウは前日に引き続き史上最高値を更新しました。米国の11月小売売上高や前週分の新規失業保険申請件数などは軒並み強い結果となりましたが、FRBの早期利下げ期待や米経済のソフトランディング期待が投資家心理の改善に寄与しました。米国の10年債利回りは2023年8月以来の4%割れに低下し、為替市場ではドルが全面安となりました。ただドル円相場は、日銀がマイナス金利解除に傾斜しつつあるとの思惑から日米の金利差縮小を意識したドル売り円買いが根強く軟調地合いとなりました。

相場の注目点

本日は中国の主要指標(11月の小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資)や欧米の12月製造業PMIなどの発表が予定されています。また、週明け(18-19日)には日本銀行の金融政策決定会合が開催されます。市場では金融政策の据え置きが予想されています。2024年1月会合での金融政策修正観測が高まっていることから、今回の会合で政策修正に向けたヒントが示されるのか、フォワードガイダンス(政策運営の指針)の有無や植田日銀総裁の発言に注目が集まります。

(投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2023年12月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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