※2023年12月21日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

調整一巡後は保ち合い上放れへ向けた動きが期待

今週の日本株は、週半ばにかけては堅調な動きとなったものの、20日の米国株が大幅安となったことを受けて、21日は調整となりました。

日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、12月8日安値(32,205円)にかけての下落でこれまで何度かフシとして機能してきた75日移動平均線(21日:32,467円)の水準まで下落しました(図1)。その後75日線と25日線(同:33,182円)の間で横ばいとなっていましたが、19日の日銀金融政策決定会合を無難に通過したことで25日線を超え、20日には一時33,800円台まで上昇しました。

21日は米国株安を受けて反落となっていますが、6月に上値を抑えられてから既に約半年が経過しており、調整一巡後は11月20日高値(33,853円)を超え、保ち合い上放れへ向けた動きとなることが期待されます。一方で調整が続く場合は、8日に下支えとなった75日移動平均線(同:32,467円)の水準を維持できるか注目されます。

※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

(注1)直近値は2023年12月21日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

次に中長期的な動きを確認すると、初夏に33,000円台後半で上値を抑えられた後は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」に移行したと考えられます(図2)。これまでの調整を経て、期間に加え下落率(10月安値時点)の点でも2020年6月~10月末の中段保ち合い時と比較して、調整が十分となっていると捉えられます。目先の調整一巡後は、再度中段保ち合いの上限突破を目指す動きとなることが期待されます。

(注1)直近値は2023年12月21日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

年末特集:NYダウ 2024年の見通し

2023年NYダウは、欧米の金融不安等による3月にかけての調整や、米国長期金利上昇を嫌気した10月にかけての調整をこなし、12月に史上最高値を更新しました。2024年は、これまでの流れを引き継ぎ、中長期上昇トレンドが続くと考えられます。

まず週足チャートをみると、2023年3月や10月にかけての2度の調整は、2020年3月安値から2022年1月高値にかけての中長期上昇トレンドの中盤にかけて見られた2度の一時的調整局面(22年6月と10月)と、下落率等の点で類似しています(図3)。

前回は2度の調整をこなした後、1年強で1万ドルを超える上昇となっており、今回も同様の動きとなるか注目されます。

(注1)直近値は2023年12月20日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

次に月足チャートをみてみましょう(図4)。2009年以降、中長期上昇局面は前回(図中:⑤)を含め、5回(同:①~⑤)ありました。それら5回のうち、コロナショックで天井形成となった局面(④)を除けば、上昇期間は約2~3年半となり、また上昇倍率は1.7~2.0倍となっています。

仮に上昇倍率1.7倍を2022年9月安値に当てはめて試算すると、48,832ドルと試算されます。この先13週移動平均線や26週線を下支えとしながら、まずは4万ドル台へ向けた動きとなると考えられます。

(注1)直近値は2023年12月20日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

ご投資にあたっての注意点