1~4月は「グロース株、小型株」、5~6月は「バリュー株、大型株」

2024年上半期における日本株の動向を、「バリュー株とグロース株」、「大型株と小型株」の2つの視点から展望します。大型連休を境に、市場は2つの局面に分かれると考えています。

1月から4月までは「グロース株、小型株」が優位に立つと予想します。この期間には、以下の要因が影響を与えると見ています:

・FOMC(米連邦公開市場委員会)のハト派的(金融引き締めに慎重)な動きと、日本銀行の市場想定内でのタカ派的(金融正常化に積極的)な動きが、グロース株にとって有利に働く。
・円高の進展が、バリュー株にとって不利に働く。
・中国景気は現状下振れ気味であり、春節明けの3月データが明らかになる4月までは回復の兆しを見つけにくいことが、FA(ファクトリーオートメーション)関連や素材企業に不利に働く。
・新NISA(少額投資非課税制度)の開始による個人投資家からの資金流入は、小型株に有利に働く。

特に、海外投資家と個人投資家のフロー(注文動向)については、大型株と小型株の相対パフォーマンスに影響を及ぼすことが確認されています。2023年11月以降の小型株の弱さは、海外投資家の不在と個人投資家の売りが影響していると考えられます。個人投資家が新NISAの開始を待っているため、「米金利の低下・円高=グロース株・小型株に有利」が十分に活かされていない可能性があります。

一方、5月から6月にかけては「バリュー株、大型株」が市場を牽引すると予想します。中国景気の動向は重要な要因ですが、その他の要因として以下が考えられます:

・日本銀行による追加利上げの模索。
・2024年6月の所得減税の効果が消費関連企業に有利に働く。
・春闘以降のデフレ脱却への期待。
・コーポレートガバナンス(企業統治)をテーマに海外投資家の関心が高まる可能性。

特に、本決算のタイミングで「東証要請」を踏まえた中期経営計画を公表する企業の動向などが注目点となるでしょう。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年12月21日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)各種データや見通しは、要約編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成

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