海外市場の振り返り

27日の米国株式市場では主要3指数が揃って小幅続伸しました。ヘルスケア、消費者必需品などが堅調だった一方、エネルギー、通信サービスなどが低調でした。連騰で高値警戒感が燻る一方、FRBが2024年前半にも利下げに転じるとの見方が相場を下支えしました。朝方発表の12月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったことや、米5年債入札が好調だったことに伴い、米10年国債利回りは一時3.7815%と7月20日以来の低水準を付けました。米金利が低下する中、為替市場では日米金利差の縮小を意識した円買いドル売りが優勢で、1ドル=141円台後半に上昇しました。

相場の注目点

米国株の上昇は日本株の支えになるものの、円高ドル安の進行が輸出関連株などの重石になりそうです。ただし、足元では日銀の政策修正期待は若干後退しています。日銀が27日に公表した金融政策決定会合の「主な意見」では、正常化に向けて積極的な姿勢と慎重な姿勢で意見が割れていることが示唆されています。また、植田総裁が正常化に慎重な姿勢を維持していることも早期の日銀の政策修正期待の後退につながっており、円高圧力を緩和する要因になると見られます。

この先の経済指標は、28日に日本の11月鉱工業生産、31日に中国で12月政府版PMIが発表されます。2024年の1月3日に2023年12月米ISM製造業景気指数、5日には米12月雇用統計、米12月ISMサービス業景気指数など重要統計の発表が相次ぎます。

(投資情報部 坪川 一浩 )

(注)データは日本時間2023年12月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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