
米国:2023年10-12月期決算プレビュー
10-12月期は前年同期比+2.9%予想
1月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2023年10-12月期決算の発表が本格化します。
2023年12月22日時点の調査会社LSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+2.9%と予想されています。2022年10-12月期から3四半期連続で前年同期比減益となっていましたが、2023年7-9月期には同+4.2%と増益に転じ、2023年10-12月期も増益が予想されています。
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前回の2023年7-9月期決算発表では、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が純利益では82.0%となっていました。同様の傾向が続けば、 2023年10-12月期も、引き続き増益となる可能性は高いと考えられます。

アナリスト達は慎重に見直している模様
リビジョンインデックスの動向をみると、2024年1月3日時点では、FY1(予想1期目)は1.03、FY2は0.89となっています。
アナリスト達は、残り1四半期となった2023年12月期の業績については比較的楽観視しているものの、2024年12月期については、業績予想を慎重に見直している可能性が考えられます。

決算発表時の注目点
年度ベースでのEPSについてみると、2023年は、年前半が減益局面だったこともあり、前年比+0.7%と微増益が予想されています。
しかし、2024年は同+11.1%、2025年は同+12.5%と増益基調となり、過去最高益を更新していくと予想されています。米国企業が、独自の技術力やビジネスモデルで中長期的に業容を拡大していくことが、業績予想に織り込まれていると推察されます。
今後、2023年10-12月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、2024年1-3月期、又は2024年12月期の会社業績見通しや経営陣のコメントなどから、今後も増益基調となるかを確認したいと考えます。そして、2024年以降、過去最高益を更新していくというアナリスト予想平均の確からしさについて、チェックしていきたいと考えます。

(野村證券投資情報部 村山 誠)
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