決算概要:2023年10-12月期(2023.12期第4四半期)
EPS実績は市場予想を下回った
米国時間1月24日引け後に、EVの製造販売や太陽光発電事業を行うテスラ(TSLA US)が2023年10-12月期(2023.12期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.8%下回り、EPSは市場予想を4.4%下回りました。
値下げの悪影響が市場予想以上
会社は、売上高については車両販売価格の引き下げなど、利益率については値下げに加えてAIやその他の研究開発費が嵩んだことが悪影響を与えたとコメントしました。
会社は、2024年12月期通期の生産台数の増加率が2023年12月期通期(前年度比35%増)を下回るとコメントしました。会社は、従来掲げていた生産台数年率50%成長の目標を撤回した形です。会社は、テキサス工場が次世代車種(サイバートラック)の生産に注力するためと、この理由を説明しました。
売上高とEPSの推移
株価は時間外取引で下落
テスラの株価は、前日比0.63%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比2.49%安の202.65ドルで推移しています(NY時間16:30)。
値下げの影響などにより売上高やEPS実績が市場予想を下回ったためと考えられます。なお、生産台数目標の撤回は売上高の市場予想に既に織り込まれていたと推察しますが、目標にこだわらなくなった会社が今後追加の値下げを見送るか注目されます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年1月24日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年10-12月期(2023/12)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年1-3月期以降の予想は2024年1月23日時点。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)