海外市場の振り返り

6日の米国株式市場はNYダウは前日比+0.36%、ナスダック総合指数は同+0.07%、S&P500指数は同+0.23%と小反発となりました。主要な経済統計の発表がない中、総じて米国経済ソフトランディングシナリオが下支えしました。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「インフレ率は急速に低下しているが、仕事はまだ終わっていない」、クリーブランド連銀のメスター総裁は「利下げへの道が開かれる可能性があるが、実施される具体的な時期を示す用意はできていない」と述べましたが、市場への影響は限定的でした。一方、米半導体メーカーのラムバス(RMBS)が公表した2024年1-3月期見通しが市場予想を下回り、前日比19%の大幅下落となったことが半導体株の下げを主導し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.13%安となりました。

相場の注目点

 来週は年明け2024年1月の米国の主力マクロ経済指標が発表されます。消費者物価指数(13日)、小売売上高・鉱工業生産(15日)、住宅着工件数・生産者物価指数(16日)と相次ぎます。2023年12月の鉱工業生産は前月比2ヶ月連続で増加、小売売上高はオンライン等が好調、住宅着工件数は4ヶ月ぶりに前月比で減少したものの、先行指標の許可件数は前月比で増加、と総じて堅調な内容でした。2024年1月は2023年12月に続き、株式市場が堅調に推移しているため、資産効果などを通じて景気に対してプラスに働くと思われますが、1月は中部、東部を中心に暴風雨や大雪に襲われたため、野外関連の経済活動が低迷した点はかく乱要因となることが推察されます。一方で、インフレは概ね減速、との見方は変わらないものの、1月の雇用統計において、時間当たり賃金が前月比+0.6%と2022年3月以来の増加率となった点に注意が必要です。労働時間が減少していますので、これも悪天候が主因と思われますが、「賃金の粘着性」が予想以上に長引くこととなれば、FRBの金融政策にも影響を及ぼしますので、消費者物価指数では特にサービス価格に注目です。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2024年2月7日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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