本日のストラテジー

 17日の米国株式市場で、NYダウは前日比-210.22ドル(-0.61%)の33,823.45ドルと4営業日続落となりました。S&P500指数は前日比-0.04%と横ばい、ナスダック総合指数は同+0.86%と反発しています。この日は、軟調な経済指標の結果を受け、米長期金利が低下する中、景気敏感セクターが下落した一方、ソフトウェアや半導体などのハイテクセクターは堅調に推移しました。S&P500指数セクター別では、情報技術(前日比+1.16%)やヘルスケア(同+0.79%)などが上昇した一方、エネルギー(同-3.49%)、金融(同-2.93%)、素材(同-2.20%)、資本財サービス(同-1.54%)の4セクターが下落となりました。SOX指数は前日比+0.95%と上昇しています。

 日経平均先物CME終値は29,125円となりました。日経平均株価の6月~8月の配当落ち約41円を考慮した場合、実質的なCME終値は29,166円と試算され、日経平均株価の前営業日終値(29,018円)を上回る水準です。本日の日本市場では、昨日上昇した銀行を中心とした金融株やエネルギー関連株が、米国市場の動向を受け、軟調にスタートすると予想されます。一方、半導体や情報通信などのハイテク株は相対的に堅調なスタートとなりそうです。本日は、日銀政策決定会合の結果発表及び黒田日銀総裁の記者会見が予定されています。市場では、金融政策の現状維持が予想されています。

 6月FOMCの結果を受け、野村米国経済チームではこれまで、2023年に1回の利上げ(7-9月期)を予想していましたが、FOMC参加者の金利予想中央値と同じ、2023年に2回の利上げ(4-6月期と10-12月期)に予想を変更しています。なお、テーパリング(資産買い入れ額の段階的縮小)の予想に変更はなく、2021年12月に発表し2022年1月に開始するとみています。FOMC参加者のインフレ見通しと政策金利予想はサプライズとなりましたが、テーパリングの開始を急ぐ可能性については示唆しませんでした。これは、インフレ指標が今後も不安定に推移し続ける可能性があるため、テーパリングに関わる決定は今後数ヶ月間の労働市場の動向がより重要になることを示唆している、との見解を野村米国チームはみています。引き続き、米国の雇用関連統計や物価指標が市場の注目点となりそうです。

 FINTOS!編集部オリジナル記事

・今週のカレンダー:FOMCの量的緩和縮小への示唆に注目(野村の週間マーケットカレンダー)

・前日の特集:5 月は信託銀行、生保・損保などが買い越し(野村ストラテジストの株式需給解説)

・前日の注目レポート:FINTOS!編集部が選んだ本日の野村レポート(6/17)

・今後の配信スケジュール(6/14より一部変更):【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事の配信スケジュール

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