海外市場の振り返り

14日の米国株式市場はNYダウが前日比+0.39%、ナスダック総合指数が同+1.30%、S&P500指数が同+0.95%と主要3指数は揃って上昇しました。70億ドルを上限とする自社株買いをすると発表した米配車大手ウーバー・テクノロジーズ(UBER)、2023年10-12月期決算が市場予想を上回り、2024年に初めてフリーキャッシュフローがプラスに転じるとの見通しを発表した米大手ライドシェアプラットフォームのリフト(LYFT)などが上昇をけん引しました。なお、この日は主要な経済指標の発表はありませんでした。

相場の注目点

米国の2024年1月消費者物価統計では、食料とエネルギー除くコアが前月比+0.4%と、市場予想(同+0.3%)を上回り、前月(2023年12月は同+0.3%)から加速しました。特に家賃などの住居費は同+0.6%とほぼ1年ぶりの上昇率となりましたが、コアから住居費を除いたサービス、いわゆるスーパーコアも同+0.8%と大幅な上昇となりました。宿泊、医療、家事、輸送、通信など様々なサービス項目で加速が見られました。改めてインフレ再加速のリスクを認識したのは、2024年2月2日に発表された1月雇用統計で、平均時給が前年比+4.5%と、2023年12月の同+4.3%から加速したことでした。勿論、単月の統計では様々な一時的要因が影響するため、均す必要はありますが、賃金の下方硬直性(≒粘着性)には引き続き注意が必要でしょう。足元でマグニフィセントセブンの市場全体の収益への寄与度が高いとは言え、2024年の主要米国企業の業績を展望した場合、業績拡大のすそ野が徐々に広がるものと予想されます。NYダウ、S&P500指数は史上最高値を更新し、ナスダック総合指数も史上最高値更新が目前に迫る中、改めて米10年国債利回りの居所が注目されます。本日は、米国の2024年1月の鉱工業生産指数、小売売上高が発表されます。1月は悪天候という要因を考慮すべきですが、年明けの米国の経済活動が注目されます。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2024年2月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

FINTOS!編集部オリジナル記事

【チャート分析】三菱商、3,000円を目指す動きに期待(2/14)

ご投資にあたっての注意点